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アンパン記念日 ~ RX-7 ~ セブン ~

 04,2013 23:55
遠い昔 カノジョが 教えてくれた 伝説の薄皮アンパン
メイカセブンのそれは 日本一の薄皮を追求した3mmのパン生地に包まれた 
あんこ玉のようなパンだ

20年ぶりに 東京に戻ってきた僕は
大脳を起動するまでもなく 条件反射のように 
城東地区へ向かった

新大橋通に愛車のRX-7を止めると 記憶の中に存在した商店街が蘇った



 「4月4日は アンパン記念日なの 
  2年前あなたと出会ったのも4月4日 
  これからもずっとこの日には アンパンが食べたいな・・・」
20年前のカノジョが 僕の左側にフワリと現れて呟いた
 「そう言うことなら 今日はこの店のアンパンを全部買い占めよう」・・・強欲
長髪だった頃の僕が右側から現れた

チューリップの様な微笑みを浮かべた カノジョの顔から
花弁が一枚落ちたような気がした
 「それは・・・他の人に迷惑だから・・・」
カノジョがポツリと言う

Shouuuuuuuuuuuuuuuuuuuuuu
長髪の僕は 頭から蒸気を噴き出した
 「君が 好きだと言うから 叶えてやろうとしたのに!」・・・憤怒
カノジョの顔から 花弁がまたひとつポロリと落ちた

現実世界に戻った僕の目の前に メイカセブンがあった

 「アイツと話しているときの君は なんで 僕といるときより綺麗なんだ!」・・・嫉妬
再び現れた 20代の僕は カノジョを詰問していた
 「あなたは 変わってしまったのね・・・」
ツウと現れた カノジョの言葉を 呑み込むように僕は言った
 「確かに変わったかもしれない
  でもそれは 君を幸せにしたいからだ
  仕事の虫になった 他人を押しのける道を選んだ 出世してお金持ちになるんだ! 
  もはや 誰も僕に立ち向かえる奴はいない そんな僕の何が不満なんだ」・・・傲慢
うつむくカノジョの顔から ひらり 花弁が落ちた

刹那 後方から やまびこのような声が響く・・・
 「君には 転勤してもらう・・・」

・・・僕が ラインから外された瞬間だった

その日僕は 心身の崩壊を防ぐため 嫌がるカノジョを 激しく抱きしめた・・・色欲
カノジョの花弁は すべて落ちた
 「さようなら・・・」
言葉の意味を 考える余裕もなく
僕は カノジョにプレゼントした ネックレスを引きちぎった・・・窃盗
ペンダントヘッドのクロスだけを 拾うとカノジョは出ていった

誰もいないた部屋には シンという音が充満していた  
耳をふさいでも 抑えることのできない 静寂の音が 僕を苦しめた
次の日 僕はメイカセブンの薄皮アンパンを買い占め 
魔に憑かれたように食べた・・・暴飲

そして 生きることの無意味を感じ ただ天井を見つめて一週間を過ごした・・・怠惰

心の崩壊が止まらぬまま 僕は新しい街へ旅立った
その街は 人々の協力なくして生きられないほど 質素な田舎町だったが
20年という歳月と 純粋な人たちとの触れ合いが 僕の心を再起動させた

自分をしっかり受け止められると実感したとき 本社への復帰連絡が入った

止まっていた僕の中の時計が動き出した
カノジョは どうしているのだろう・・・
帰路のRX-7 車内は カノジョへの贖罪でいっぱいだった

記憶の波に押されるように 僕はメイカセブンに入った
目の前に 薄皮アンパンがあった

RX-7に戻った僕は 味の記憶を呼び覚まそうと 袋を開ける
薄皮アンパンが4つ 甘い香りが車内をめぐる
ロータリーエンジンが 僕の鼓動と共鳴するかのように 喜びのsoundを奏でた

RX-7

!!

その時 目の前を行く 一人の女の子に目が留まった
セミロングのストレートヘアーが揺れる 
18歳くらいだろうか 付き合い始めた頃の カノジョに瓜二つだった
Hyuuuuuuuuuuuuuuuuuuuun
セブンのエンジンが停止する 
 「あの子を追えっていうんだな・・・」
僕は RX-7のボディをコツリと叩くと 商店街に向かった

女の子は メイカセブンに入る
 「Keiちゃん ごめんね 今日は売り切れなのよ」
店主が答えている
 「えー 残念!! ブドウパン派の母さんが 今日(4月4日)はアンパン記念日だから 
  アンパンがほしいって言うから来たんだけど・・・」 

Keiと呼ばれた女の子の胸に クロスがきらめいた
 「あれは・・・そしてアンパン記念日・・・」

Keiと呼ばれていた女の子が 店を出る 
咄嗟に僕は 声をかけた
 「このパンを 持っていきなさい」
さっき買った できたての薄皮アンパンをカノジョにプレゼントした
 「いいんですか?」
と 笑顔で答える女の子に 僕も笑顔で頷く
 「それじゃ遠慮なくいただきます
  その代り 私の家 すぐ近くなので お茶をごちそうさせてください 母も喜びます 」
チューリップのような笑顔だった



7つの大罪で悲劇を迎えたデイヴィッド・ミルズ刑事(Brad Pitt)には申し訳ないけど
僕には もう一度 春が訪れる そんな気がした




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