想像の領域 ~ Jaguar XF ~ The Neverending Story ~
01,2012 23:35
かぼちゃのお化けたちが騒いでいた昨日までとはうってかわり
静寂を取り戻した街に停まる
ジャガー XFの運転席に月齢16.6の月灯りが入り込む

月面に見える兎の餅つきも 巨大隕石の衝突が描いた模様であるというニュースに
科学の進歩が どこまで 人の想像領域を侵害するのだろうと寂しさを感じる
「何でも知ることがいいことなのか・・・
知らないほうが ずっと幸せなこともあるのに・・・」
僕はもう一度 歩道を見た そこにはまだ1時間前の残像があった
僕は 付き合い始めて2年になる カノジョと同棲していた
カノジョの笑顔は 僕に元気を与える魔法だった
そんなカノジョの笑顔が 最近出会ったころより 増えたような気がする
それは僕が カノジョのことを背伸びせずに
見ることができるようになった証なのだと感じていた
お互いに仕事を持つ僕たちは 何時もベッタリしているわけではない
適度な距離が 相手を想う気持ちを増幅させる
僕は カノジョを想う自分自身も大好きだった
「ごめん・・・今日は仕事で遅くなるわ・・・」
”古典の日”のうんちくを仕込んだ僕は カノジョを食事に誘ったが
やはり特攻提案は 拒否された
「また今度 埋め合わせするから ごめんね!」
カノジョの陽気な声がスマホから聞こえてくる
「了解! 今宵は月でも見ながら一人で一杯やるよ」
そう言って僕は電話を切った
カノジョは知らない
”一人で一杯やる”という本当の意味を
カノジョは 僕が自宅で映画でも見ながら
大好きなラガービールでも飲んでいると思ってるのだろう
しかし 実際の僕は
ジャガー XFで 環状線を廻っている 僕にとって「一杯やる」とは それを意味した
昨日まで 巨大なジャックオーランタンだった東京タワーの展望台を基点として
環状線を駆った
ローリング族ではないので おとなしいドライブだが
月の魔力に負けた僕は
時折 V型8気筒 5.0リッターのスーパーチャージャーをフル回転させる
14.8kmを6周すると88.8km 8は横にすると無限大を意味する記号になる
僕の大好きな数字だ
だから僕は環状線のドライブをいつも6周と決めていた 永遠という言葉を求めて
しかし あと25967周すると 月迄の距離に到達する
”永遠”にたどり着く前に その地点がやってくる
その時は ウサギたちが 僕を優しく出迎えてくれるだろう
ビル群の中に 浮かぶ電光時計が23時を指していた
瞬時に 現実世界に戻された僕は
「久しぶりにアッシークンになってやろう」
そんな軽い気持ちで カノジョの帰り道である 芝公園に向かった
ほどなく彼女があらわれた
しかし カノジョの隣には僕よりも年上の男がいた
会社の同僚であろうと思いつつも 胸騒ぎがする
車のシートを倒しながら そっと視線を送った
刹那 カノジョから男にキスするところを目撃した・・・
僕とカノジョのstoryには エンディングがあった
また一つ僕の前から おとぎなばしが消えた
11/1 「古典の日」源氏物語が語られ始めた日に僕は悟った
最近のカノジョの笑顔は 僕に対する想いの それではなかった
本質を隠すための 偽りの笑顔だった・・・
地球上で毎日のように起こっている 男女の別れの一つが僕のもとで発生した
「それだけのことだ」 そう自分に言い聞かせ
ニュートラルのまま アクセルを全開まで踏む込んだ
WooooooooooooooooooooooooooooooooooooooN
~あなかしこ、このわたりに若紫やさぶらふ~
(そういえば、このあたりに若紫の姫君がいらっしゃるのでは)
源氏物語の如く カノジョを見つけてしまった僕・・・
エンジン音が 僕の涙が滴る音を掻き消した
おぼろ月がの中で 月の兎が動いた その時 メールの着信があった
会社で僕のパートナーを務める ポニーテールの女の子からだった
メールを開けた僕は 月に向かって呟いた
「どうやら 僕のネバーエンディングstoryは これから始まるようだ」
静寂を取り戻した街に停まる
ジャガー XFの運転席に月齢16.6の月灯りが入り込む

月面に見える兎の餅つきも 巨大隕石の衝突が描いた模様であるというニュースに
科学の進歩が どこまで 人の想像領域を侵害するのだろうと寂しさを感じる
「何でも知ることがいいことなのか・・・
知らないほうが ずっと幸せなこともあるのに・・・」
僕はもう一度 歩道を見た そこにはまだ1時間前の残像があった
僕は 付き合い始めて2年になる カノジョと同棲していた
カノジョの笑顔は 僕に元気を与える魔法だった
そんなカノジョの笑顔が 最近出会ったころより 増えたような気がする
それは僕が カノジョのことを背伸びせずに
見ることができるようになった証なのだと感じていた
お互いに仕事を持つ僕たちは 何時もベッタリしているわけではない
適度な距離が 相手を想う気持ちを増幅させる
僕は カノジョを想う自分自身も大好きだった
「ごめん・・・今日は仕事で遅くなるわ・・・」
”古典の日”のうんちくを仕込んだ僕は カノジョを食事に誘ったが
やはり特攻提案は 拒否された
「また今度 埋め合わせするから ごめんね!」
カノジョの陽気な声がスマホから聞こえてくる
「了解! 今宵は月でも見ながら一人で一杯やるよ」
そう言って僕は電話を切った
カノジョは知らない
”一人で一杯やる”という本当の意味を
カノジョは 僕が自宅で映画でも見ながら
大好きなラガービールでも飲んでいると思ってるのだろう
しかし 実際の僕は
ジャガー XFで 環状線を廻っている 僕にとって「一杯やる」とは それを意味した
昨日まで 巨大なジャックオーランタンだった東京タワーの展望台を基点として
環状線を駆った
ローリング族ではないので おとなしいドライブだが
月の魔力に負けた僕は
時折 V型8気筒 5.0リッターのスーパーチャージャーをフル回転させる
14.8kmを6周すると88.8km 8は横にすると無限大を意味する記号になる
僕の大好きな数字だ
だから僕は環状線のドライブをいつも6周と決めていた 永遠という言葉を求めて
しかし あと25967周すると 月迄の距離に到達する
”永遠”にたどり着く前に その地点がやってくる
その時は ウサギたちが 僕を優しく出迎えてくれるだろう
ビル群の中に 浮かぶ電光時計が23時を指していた
瞬時に 現実世界に戻された僕は
「久しぶりにアッシークンになってやろう」
そんな軽い気持ちで カノジョの帰り道である 芝公園に向かった
ほどなく彼女があらわれた
しかし カノジョの隣には僕よりも年上の男がいた
会社の同僚であろうと思いつつも 胸騒ぎがする
車のシートを倒しながら そっと視線を送った
刹那 カノジョから男にキスするところを目撃した・・・
僕とカノジョのstoryには エンディングがあった
また一つ僕の前から おとぎなばしが消えた
11/1 「古典の日」源氏物語が語られ始めた日に僕は悟った
最近のカノジョの笑顔は 僕に対する想いの それではなかった
本質を隠すための 偽りの笑顔だった・・・
地球上で毎日のように起こっている 男女の別れの一つが僕のもとで発生した
「それだけのことだ」 そう自分に言い聞かせ
ニュートラルのまま アクセルを全開まで踏む込んだ
WooooooooooooooooooooooooooooooooooooooN
~あなかしこ、このわたりに若紫やさぶらふ~
(そういえば、このあたりに若紫の姫君がいらっしゃるのでは)
源氏物語の如く カノジョを見つけてしまった僕・・・
エンジン音が 僕の涙が滴る音を掻き消した
おぼろ月がの中で 月の兎が動いた その時 メールの着信があった
会社で僕のパートナーを務める ポニーテールの女の子からだった
メールを開けた僕は 月に向かって呟いた
「どうやら 僕のネバーエンディングstoryは これから始まるようだ」
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