ゾン100〜ゾンビになるまでにしたい100のこと〜 ~ ニッサン フェアレディZ Z31 1985 ~
Cafébar Casablancaも 夏の装い
店内に設置されたポスターやオブジェも ホラー系の設えに変わっている
そんな環境に 感化されたのか
目の前にいる今日のカノジョは
締め切りに追われて徹夜続きの僕のように 毛細血管が浮かび上がった瞳をしていた
もしかして・・・
ここ数日
ネットニュースで噂になっている 新たなキラーウィルス
人を狂犬化させ まさにゾンビ化させると言われる あのウィルスを発症したのではないか・・・
僕は マスターにセブンスヘブンを所望した
ゾンビウィルスの 噂では 天国の階層 最上階を意味する
カクテルを飲めば ウィルスを駆逐できるとも 言われていたからだ
ジンベースにワインのリキュールが混在する
アルコール度数としては 少々高めのカクテルを 一気に飲み干したカノジョ
心を覆っていた氷の壁が溶けだし
カノジョの瞳から 涙となって零れ落ちた
「漫画家の助手をしているような男との結婚は認めないって・・・」
瞳を赤くしていた原因は 僕だった・・・
カノジョが 病気で無いことがわかり ホッとした・・・ いや・・・
そもそも ゾンビなんて・・・
店の雰囲気もあるが これは間違いなく あの映画の影響だ
ゾン100 ゾンビになるまでにしたい100のこと・・・
「今日は 一人で帰るね・・・」
カノジョを駅まで送った僕は 再び 店に戻ることにした
駐車場に停めたZ31のこともあったが
なぜか 今日の僕は まだ帰る気にならなかった
戻っても
ノンアルコールカクテルしか飲めないのに・・・
おや・・・
週末だと言うのに 人影が少ないことに気付いた
天気予報で大雨の予報を流したからだろう・・・
最近の報道は ニュースも含めて過度に人を不安にさせるように思う
「これまでに 経験したことのないような・・・」
古代ギリシャの ヘロドトスが『ヒストリア』を書してから
たった2500年分しか無いい人類の経験値
地球の歴史46億年からしたら 誤差程度の統計数が 何の指標になるのだろう
まぁ 人の命は大切だから 仕方のないことなのだが
そんなニュースに輪をかけて 過剰な反応を拡散するネットの世界
だから・・・
ゾンビウィルスなどと言う流言が 世界中に拡散されるんだ
世界が病んでいる・・・
高尚なことを 考えはじめていいたはずの僕だったが
いつの間にか
もし僕だったら
ゾンビになるまでに 何したいかな・・・ 指折り数え始めていた
「カノジョと結婚するために お父さんを説得する」 という
一つ目の目標から30個まで思いついたころ
Cafébar Casablancaに到着した
扉を開けると ・・・ マスターが 蒼い顔で震えていた・・・
えっ・・・
マスターが まさか・・・
再び ゾンビウィルス説が 僕の頭をよぎる
コロナ禍でも 体調を崩さなかった マスターが・・・
「ちょっと エアコンの調子が悪くて 冷風に当たりすぎてしまって ・・・」
Hahahaha・・・
グラスに写る 都市伝説に踊らされる自分の顔を見て 笑った
ハリーボーンの音楽が流れる中で
サマー・ディライトを開けた僕のスマホメモには やりたいことが55個まで増えていた
そのうちの半分が
カノジョと一緒に という 接頭語になっていることに気付いた
マスター・・・
ウォッカで 身体を温めたらしい赤ら顔のマスターに
僕は宣言した
「世の中がゾンビで 埋め尽くされる前に
僕は 必ずカノジョとの結婚を 認めてもらうよ！」
「それじゃ まず セブンスヘブンを 飲まなきゃいけませんね」
マスターがジンを手にした
「あぁ 次回お願いします 今日はアイツが待っているから」
駐車場の Z31を指さした
「終末が来る前に お越しください」
マスターの ジョークを聴きながら 僕は店を後にした
Z31は 半世紀近く前の車だが 名機「RB20DET」を搭載していた
一目ぼれだった
流し目のヘッドライトが僕を誘っている 今日のZ31は狂気に見えた
そんな 危険な香りのするボディを優しく撫でながら
運転席の扉を開けようと ドアハンドルに手にかけた そのとき・・・
Kapuri・・・
あぁ お前（Z31）が ゾンビだったのか・・・
ゾンビになるまでに やりたいこと
カノジョと一緒に行うこと以外は 全て お前と一緒にやることだった・・・
体中の血が暴れはじめる中
Z３１の運転席に乗り込む
僕は いつまで 僕で いられるだろうか
Z31のシートが
カノジョを抱きしめたときを 思い出させた
視界が 狭くなる中
僕は スマホのメモに 付け加えた
セブンスヘブンを 飲むこと
ニュースを もっと 信じること
カノジョ・・・
に ・・・
噛み
つきたい・・・
♪メンデルスゾーン／「夏の夜の夢」結婚行進曲♪
店内に設置されたポスターやオブジェも ホラー系の設えに変わっている
そんな環境に 感化されたのか
目の前にいる今日のカノジョは
締め切りに追われて徹夜続きの僕のように 毛細血管が浮かび上がった瞳をしていた
もしかして・・・
ここ数日
ネットニュースで噂になっている 新たなキラーウィルス
人を狂犬化させ まさにゾンビ化させると言われる あのウィルスを発症したのではないか・・・
僕は マスターにセブンスヘブンを所望した
ゾンビウィルスの 噂では 天国の階層 最上階を意味する
カクテルを飲めば ウィルスを駆逐できるとも 言われていたからだ
ジンベースにワインのリキュールが混在する
アルコール度数としては 少々高めのカクテルを 一気に飲み干したカノジョ
心を覆っていた氷の壁が溶けだし
カノジョの瞳から 涙となって零れ落ちた
「漫画家の助手をしているような男との結婚は認めないって・・・」
瞳を赤くしていた原因は 僕だった・・・
カノジョが 病気で無いことがわかり ホッとした・・・ いや・・・
そもそも ゾンビなんて・・・
店の雰囲気もあるが これは間違いなく あの映画の影響だ
ゾン100 ゾンビになるまでにしたい100のこと・・・
「今日は 一人で帰るね・・・」
カノジョを駅まで送った僕は 再び 店に戻ることにした
駐車場に停めたZ31のこともあったが
なぜか 今日の僕は まだ帰る気にならなかった
戻っても
ノンアルコールカクテルしか飲めないのに・・・
おや・・・
週末だと言うのに 人影が少ないことに気付いた
天気予報で大雨の予報を流したからだろう・・・
最近の報道は ニュースも含めて過度に人を不安にさせるように思う
「これまでに 経験したことのないような・・・」
古代ギリシャの ヘロドトスが『ヒストリア』を書してから
たった2500年分しか無いい人類の経験値
地球の歴史46億年からしたら 誤差程度の統計数が 何の指標になるのだろう
まぁ 人の命は大切だから 仕方のないことなのだが
そんなニュースに輪をかけて 過剰な反応を拡散するネットの世界
だから・・・
ゾンビウィルスなどと言う流言が 世界中に拡散されるんだ
世界が病んでいる・・・
高尚なことを 考えはじめていいたはずの僕だったが
いつの間にか
もし僕だったら
ゾンビになるまでに 何したいかな・・・ 指折り数え始めていた
「カノジョと結婚するために お父さんを説得する」 という
一つ目の目標から30個まで思いついたころ
Cafébar Casablancaに到着した
扉を開けると ・・・ マスターが 蒼い顔で震えていた・・・
えっ・・・
マスターが まさか・・・
再び ゾンビウィルス説が 僕の頭をよぎる
コロナ禍でも 体調を崩さなかった マスターが・・・
「ちょっと エアコンの調子が悪くて 冷風に当たりすぎてしまって ・・・」
Hahahaha・・・
グラスに写る 都市伝説に踊らされる自分の顔を見て 笑った
ハリーボーンの音楽が流れる中で
サマー・ディライトを開けた僕のスマホメモには やりたいことが55個まで増えていた
そのうちの半分が
カノジョと一緒に という 接頭語になっていることに気付いた
マスター・・・
ウォッカで 身体を温めたらしい赤ら顔のマスターに
僕は宣言した
「世の中がゾンビで 埋め尽くされる前に
僕は 必ずカノジョとの結婚を 認めてもらうよ！」
「それじゃ まず セブンスヘブンを 飲まなきゃいけませんね」
マスターがジンを手にした
「あぁ 次回お願いします 今日はアイツが待っているから」
駐車場の Z31を指さした
「終末が来る前に お越しください」
マスターの ジョークを聴きながら 僕は店を後にした
Z31は 半世紀近く前の車だが 名機「RB20DET」を搭載していた
一目ぼれだった
流し目のヘッドライトが僕を誘っている 今日のZ31は狂気に見えた
そんな 危険な香りのするボディを優しく撫でながら
運転席の扉を開けようと ドアハンドルに手にかけた そのとき・・・
Kapuri・・・
あぁ お前（Z31）が ゾンビだったのか・・・
ゾンビになるまでに やりたいこと
カノジョと一緒に行うこと以外は 全て お前と一緒にやることだった・・・
体中の血が暴れはじめる中
Z３１の運転席に乗り込む
僕は いつまで 僕で いられるだろうか
Z31のシートが
カノジョを抱きしめたときを 思い出させた
視界が 狭くなる中
僕は スマホのメモに 付け加えた
セブンスヘブンを 飲むこと
ニュースを もっと 信じること
カノジョ・・・
に ・・・
噛み
つきたい・・・
♪メンデルスゾーン／「夏の夜の夢」結婚行進曲♪
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