レジェンド・アンド・バタフライ ~ フィアット128 ラリー 1971年式~
06,2023 00:13
彼と私は 政略結婚
彼は 私が父から譲り受けたフィアット128 ラリーに乗りたかった
私は 彼が所有する 海の見えるマンションに住みたかった
愛情がなかったわけではないけど
メインはそっち
だから・・・
お互いの生活に干渉しない 共同生活のような結婚
まるで 信長と濃姫
しかし
彼は 信長のような 豪傑でも第六天魔王でもない
どちらかというと ポンコツなのだ
毎朝 家を出る彼は
必ず二度 戻ってくる
いつも 仕事のことを考えているから
しょっちゅう 忘れ物をする
そんな彼を見かねて 私は玄関に椅子を置いた
そして・・・
「忘れ物した~」
彼が戻ってくるのを イスに座って待っていた
「ばかね~」
笑いながら 彼の慌てる姿を 特等席で見ていた
そのうち 彼が 何を忘れたか気付くようになった
イスに座って 彼に渡す
「えっ・・・ なんで わかるの・・・」
驚く彼を見て笑う これが私の朝一番の仕事になった
今日も朝の仕事を終えた私は
海の見える部屋で パソコンを立ち上げる
私の仕事は
頭の中の登場人物との会話だ・・・ まぁ 簡単に言えば小説家
ポンコツの彼を忘れて
伝説の侍をテーマにした storyにトリップする
気付けば 真っ青な朝の海が 赤く染まっていた
「もう夕方か・・・」
誰もいない 部屋に向かって呟いたこえが 忘れていた今日の予定を思い出させた
そうだ・・・
今日は 車で 目星をつけいた 春らしいラグを買いに行こうと思っていたんだ・・・
時計の針は17:00を回っていたが
まだ・・・ だいじょうぶ・・・
128ラリーは タイヤを啼かせながら 慌てて 家を飛び出した

しかし・・・
目当ての商品は売り切れていた
今日は そういう日なんだ と割り切ったとき・・・
侍たちのstoryが ストンと
舞い降りてきた
ごにょごにょごにょ・・・ 独り言を唱えている間に
ショッピングモールが
かれすすきに 覆われた合戦場の真っただ中に変わった
敵が いつ現れるか どこから矢が飛んでくるのかわからない空間を
注意深く歩く・・・
やがて 城・・・我が家にたどり着いた
頭の中で構築された
薄氷の記憶が 夢散する前に はやく書き写さなくては・・・
あたりが真っ暗になったころ
storyは 完結した・・・
Fuuuuuuuuuuuuuuと 溜息をついた時 彼から 電話が入った
見ると 外は大雨・・・
荷物があるので 迎えに来てほしいと言う
もう・・・!! と思った瞬間 思い出した・・・
「あっ・・・ 車・・・ 置いてきちゃった・・・」
私も ポンコツなのだ・・・
「どうしたの・・・」
受話器の向こうで 心配そうに首をかしげる彼が脳裏に浮かんだ
と同時に
私の戦略が口からこぼれる
「そんなこともあろうかと すでに 車は商業モールの駐車場に停めてあります
合鍵持ってるよね」
「君は魔法使いのようだ」
電話の向こうで 驚く彼をイメージして 罪悪感を覚える私は
彼が大好きな ハンバーグを 作っていた
ただいま・・・ 彼は 大きな荷物を手にしていた
「いい香り! 今日は ハンバーグ食べたかったんだ!」
上着を脱がずに
つまみ食いしようとする 彼が手にしていたのは・・・
私が 購入しようとしていた ラグだった
「君に 相談しなかったんだけど まずかったかな」
と言う彼・・・
「あなたも 魔法使いだったのね」
政略結婚のはずだった
私たちの心は いつのまにか 一つになっていた
彼は 私が父から譲り受けたフィアット128 ラリーに乗りたかった
私は 彼が所有する 海の見えるマンションに住みたかった
愛情がなかったわけではないけど
メインはそっち
だから・・・
お互いの生活に干渉しない 共同生活のような結婚
まるで 信長と濃姫
しかし
彼は 信長のような 豪傑でも第六天魔王でもない
どちらかというと ポンコツなのだ
毎朝 家を出る彼は
必ず二度 戻ってくる
いつも 仕事のことを考えているから
しょっちゅう 忘れ物をする
そんな彼を見かねて 私は玄関に椅子を置いた
そして・・・
「忘れ物した~」
彼が戻ってくるのを イスに座って待っていた
「ばかね~」
笑いながら 彼の慌てる姿を 特等席で見ていた
そのうち 彼が 何を忘れたか気付くようになった
イスに座って 彼に渡す
「えっ・・・ なんで わかるの・・・」
驚く彼を見て笑う これが私の朝一番の仕事になった
今日も朝の仕事を終えた私は
海の見える部屋で パソコンを立ち上げる
私の仕事は
頭の中の登場人物との会話だ・・・ まぁ 簡単に言えば小説家
ポンコツの彼を忘れて
伝説の侍をテーマにした storyにトリップする
気付けば 真っ青な朝の海が 赤く染まっていた
「もう夕方か・・・」
誰もいない 部屋に向かって呟いたこえが 忘れていた今日の予定を思い出させた
そうだ・・・
今日は 車で 目星をつけいた 春らしいラグを買いに行こうと思っていたんだ・・・
時計の針は17:00を回っていたが
まだ・・・ だいじょうぶ・・・
128ラリーは タイヤを啼かせながら 慌てて 家を飛び出した

しかし・・・
目当ての商品は売り切れていた
今日は そういう日なんだ と割り切ったとき・・・
侍たちのstoryが ストンと
舞い降りてきた
ごにょごにょごにょ・・・ 独り言を唱えている間に
ショッピングモールが
かれすすきに 覆われた合戦場の真っただ中に変わった
敵が いつ現れるか どこから矢が飛んでくるのかわからない空間を
注意深く歩く・・・
やがて 城・・・我が家にたどり着いた
頭の中で構築された
薄氷の記憶が 夢散する前に はやく書き写さなくては・・・
あたりが真っ暗になったころ
storyは 完結した・・・
Fuuuuuuuuuuuuuuと 溜息をついた時 彼から 電話が入った
見ると 外は大雨・・・
荷物があるので 迎えに来てほしいと言う
もう・・・!! と思った瞬間 思い出した・・・
「あっ・・・ 車・・・ 置いてきちゃった・・・」
私も ポンコツなのだ・・・
「どうしたの・・・」
受話器の向こうで 心配そうに首をかしげる彼が脳裏に浮かんだ
と同時に
私の戦略が口からこぼれる
「そんなこともあろうかと すでに 車は商業モールの駐車場に停めてあります
合鍵持ってるよね」
「君は魔法使いのようだ」
電話の向こうで 驚く彼をイメージして 罪悪感を覚える私は
彼が大好きな ハンバーグを 作っていた
ただいま・・・ 彼は 大きな荷物を手にしていた
「いい香り! 今日は ハンバーグ食べたかったんだ!」
上着を脱がずに
つまみ食いしようとする 彼が手にしていたのは・・・
私が 購入しようとしていた ラグだった
「君に 相談しなかったんだけど まずかったかな」
と言う彼・・・
「あなたも 魔法使いだったのね」
政略結婚のはずだった
私たちの心は いつのまにか 一つになっていた
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