ザリガニの鳴くところ ~ トヨタ・ランドクルーザー・プラド 1991 ~
27,2022 09:46
初デートは キャンプだった
といっても
場所は 湿地帯で有名な 僕の生まれ故郷
大きな樫の木の幹に
二人の名前を彫って 永遠の愛を誓った
帰り道・・・
プラドのタイヤがバーストしたおかげで
僕らは 車中泊することになった
魔女が 腰かけるような三日月と
聖霊が 水浴びをしているような 天の川が見える星空は
ハートが降り注ぐようなロマンチックな夜だった
♪Carolina – Taylor Swift♪
僕の記憶には 今でも君の笑顔だけが 鮮明に残っていた
僕には大切な思い出だった・・・
しかし・・・
カノジョにとっては
僕たちの オープニングの出来事も
そして ここから始まった30年間の 思い出も
洋服ダンスの後ろに溜まった 埃かすでしかなかった
「あなたは 私のことを 本当に愛していたのかしら・・・」
カノジョが 家を出たとき 残した言葉が
いまも 頭の中で 終わりのないルフランと化していた
僕は ほんとうに カノジョのことを好きだったのだろうか・・・
30年前・・・
社員食堂で いつも一人 本を読んでいた君は
誰もが近寄りがたい孤独のバリアを纏っていた
そんな君に
たった一人 空気の読めない僕だけが プライベートエリアに侵入していた
誰も近寄らない状況は 君が求めていた環境ではなかった
だから 君は
僕を 初めから素直に受け入れてくれた
両親が不仲だった君は
家族愛を味わったことがない・・・
それは 地球上の生物として ありえない形だと言った
地球に生きる生物は 形こそ違うが 愛の形を持っているものだと
今にも 消えてしまいそうな かげろうのような君を
見過ごせなかった僕は
自分の人生に 君を取り込むことを選んだ
君を 守らなくてはいけない・・・
しかし・・・
僕の選んだ形も この地球上の生物として 異例だったのだろう・・・
交尾の後に 相手を食べてしまうカマキリも
偽りの光で 翻弄する蛍も
本能の赴くままに生きているのに
僕の選択した行為は 本能ではなかった
だから こそ・・・
大切に
大切に 守ってきたはずの 君への思いも
僕が勝手に描いた 独りよがりの シナリオでしかなかった
僕にとって 大切だった キャンプの思い出も・・・
君にとっては苦痛でしかなかった
昆虫や野生動物 消毒されてない原っぱに寝ころぶこと
すべてが 忘れたい時間でしかなかったと 君は 言った・・・
君の人生の半分以上を 埃かすにさせてしまった 僕の罪は重い・・・
だから・・・
僕は 残りの人生を 罪びと として生きなくてはならない
ザリガニが鳴き オタマジャクシが嗤う場所で
一人・・・
泥のように 生きていくことにした

大自然は 人の理に関係なく巡り
5回目の真っ赤な もみじの絨毯ロードが 完成した日
君からエアメールが届いた
ニュージーランドの
新緑の牧草地の中で
オートキャンプをする君は 心から湧き出る笑顔を見せていた
あのとき パンクして・・・
今も乗り続けている 初代 J7型1991年式 ランクルプラドと同型の グリーンの車体と一緒に
その夜・・・
僕は ザリガニの鳴く声を聴きながら ゆっくり 眠りにつけた
といっても
場所は 湿地帯で有名な 僕の生まれ故郷
大きな樫の木の幹に
二人の名前を彫って 永遠の愛を誓った
帰り道・・・
プラドのタイヤがバーストしたおかげで
僕らは 車中泊することになった
魔女が 腰かけるような三日月と
聖霊が 水浴びをしているような 天の川が見える星空は
ハートが降り注ぐようなロマンチックな夜だった
♪Carolina – Taylor Swift♪
僕の記憶には 今でも君の笑顔だけが 鮮明に残っていた
僕には大切な思い出だった・・・
しかし・・・
カノジョにとっては
僕たちの オープニングの出来事も
そして ここから始まった30年間の 思い出も
洋服ダンスの後ろに溜まった 埃かすでしかなかった
「あなたは 私のことを 本当に愛していたのかしら・・・」
カノジョが 家を出たとき 残した言葉が
いまも 頭の中で 終わりのないルフランと化していた
僕は ほんとうに カノジョのことを好きだったのだろうか・・・
30年前・・・
社員食堂で いつも一人 本を読んでいた君は
誰もが近寄りがたい孤独のバリアを纏っていた
そんな君に
たった一人 空気の読めない僕だけが プライベートエリアに侵入していた
誰も近寄らない状況は 君が求めていた環境ではなかった
だから 君は
僕を 初めから素直に受け入れてくれた
両親が不仲だった君は
家族愛を味わったことがない・・・
それは 地球上の生物として ありえない形だと言った
地球に生きる生物は 形こそ違うが 愛の形を持っているものだと
今にも 消えてしまいそうな かげろうのような君を
見過ごせなかった僕は
自分の人生に 君を取り込むことを選んだ
君を 守らなくてはいけない・・・
しかし・・・
僕の選んだ形も この地球上の生物として 異例だったのだろう・・・
交尾の後に 相手を食べてしまうカマキリも
偽りの光で 翻弄する蛍も
本能の赴くままに生きているのに
僕の選択した行為は 本能ではなかった
だから こそ・・・
大切に
大切に 守ってきたはずの 君への思いも
僕が勝手に描いた 独りよがりの シナリオでしかなかった
僕にとって 大切だった キャンプの思い出も・・・
君にとっては苦痛でしかなかった
昆虫や野生動物 消毒されてない原っぱに寝ころぶこと
すべてが 忘れたい時間でしかなかったと 君は 言った・・・
君の人生の半分以上を 埃かすにさせてしまった 僕の罪は重い・・・
だから・・・
僕は 残りの人生を 罪びと として生きなくてはならない
ザリガニが鳴き オタマジャクシが嗤う場所で
一人・・・
泥のように 生きていくことにした

大自然は 人の理に関係なく巡り
5回目の真っ赤な もみじの絨毯ロードが 完成した日
君からエアメールが届いた
ニュージーランドの
新緑の牧草地の中で
オートキャンプをする君は 心から湧き出る笑顔を見せていた
あのとき パンクして・・・
今も乗り続けている 初代 J7型1991年式 ランクルプラドと同型の グリーンの車体と一緒に
その夜・・・
僕は ザリガニの鳴く声を聴きながら ゆっくり 眠りにつけた
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