ジャック・リーチャー NEVER GO BACK ~ ニッサン キックス P15 2018 ~
29,2022 19:19
日本最大のサービスエリア海老名
週末の夕方ということもあり
ミツバチの巣箱のように 車も人も 溢れかえっている
人ごみを避けるように 木陰で缶コーヒーを飲み終えた僕は
夕陽に照らされて
いつもより 赤みがかった
オレンジのキックスに戻ってきた
「父(Chi Chi)!!」
突然 Baracutaのハリントンジャケットが
地面から飛び出した太公望の仕掛けにひっかかったように
ぐいと引っ張られた
おっ・・・
振り向いた先には
イチゴのヘアゴムで髪を束ねた
幼稚園生くらいの 小さな小さな女の子がいた
お父さんも きっとオレンジ色の車だったのだろう
勘違いして 僕のキックスの前で 待っていたようだ

やむを得ず ハチの巣箱に飛び込んだ僕は
迷子を預けるために 人をかき分け案内所に向かった
しかし・・・
そこは
問題を抱えた人たちで あふれかえり
肩車でも 女の子を連れて 近づくのは難しい
そこで 僕らは 2階に向かった
こうなったら 僕が 見つけてやろう!
2階の飲食店からは 巨大な駐車場が一望できる
ソフトクリームを食べて Karakara笑う女の子
一安心した 僕は探偵気分で 外を見渡した
幸いオレンジ色の車は
まだまだ日本じゃ浸透していない
愛車を除いて 確認できたのは5台
そのうちの2台は フェラーリとランボルギーニ
共にオープンカーだ
女の子の容姿を見ると
スーパーカーは除外してもよいと判断した
残りは3台・・・
ここからは 現場確認が必要だ
僕は 再び女の子を肩車すると 外に出た
1台目は
老夫婦のクロスビーだった 流石に 女の子が父と呼ぶ相手ではない
2台目は 子沢山のセレナ
既にシートは満席だった
最後の1台に期待したが・・・
現場に到着したとき・・・ もう車はいなかった
「いないねぇ」
困り果てて ぼやいた僕の顔を見て
「いないねぇ」 女の子は僕をまねながら 再びKarakaと笑った
!! そうだ・・・
海老名は歩道橋で 上下線の往来ができたはずだ・・・
慌てて 僕らは下り線に向かった
しかし・・・
オレンジ色の車は 一台も停まっていなかった
万策尽きた僕は
案内所に戻ることにした
巨大なサービスエリアの冒険が楽しかったのか
ソフトクリームで満腹になったのか・・・
案内所の前の客席に座ったとたん
女の子は 僕の左手を握りながら うとうとし始めた
こんな小さいのに・・・
時折 右手で前髪をさらりと流すしぐさは
別れたカノジョを
思い出させた
そういえば・・・
ドライブの帰り道 僕らはきまって ここに寄った
カノジョは ぽるとがるのメロンパンを
僕は 皇朝の肉まんを買ったっけ・・・
Francois Klark - Always
懐かしい思い出に トリップしていたとき
「父・・・ おかわりさん」
おかわりさん?
見ると 案内所に警備員が 巡回しにきていた
「すいません 迷子です」
ここぞとばかり 僕は案内所に駆け込んだ
「それで お子さんは」
緊張感の無い女性警備員
僕は 後ろを向いて
さっきまで座っていた席を指さした・・・
あれっ いない・・・
そのとき
横から女性が割って入ってきた
「すいません 迷子なんですけど・・・ あっ・・・」
驚くような女性の声で 僕は女性の顔を確認した
!!
別れた カノジョだった
案内所の女性警備員は
僕と同じ質問を 淡々と カノジョに投げかけた
「それで お子さんは?」
あらっ?・・・
カノジョは 自分の周りを見回していた
3年前
僕たちは 初めての子供を流産で失った
女の子だった・・・
それから
少しづつ狂いはじめた歯車・・・ 僕らは違う道を歩むことになった
案内所では
迷子の迷子を 取り上げては くれなかった
僕も カノジョも 納得できなかったが
子供たちの存在を示すものを 何も持っていなかったのだから仕方ない
僕もカノジョも・・・
それぞれ 人ごみの中に消えた
キックスに戻った僕は
両手を見つめた
ジャック・リーチャー(Thomas Cruise)が抱きしめたサマンサ(Danika Yarosh)の温もりと同じ感触が
僕の両手には残っていた
あの娘・・・
どこにいちゃったんだろう・・・
♪
そのとき 携帯が鳴った
「私・・・ 歩いて来たの
もう一度 私に逢いたくなったんじゃない?」
カノジョからのメールだった
僕は メロンパンを買うために 車を出た
Bannn
運転席の扉が 閉まったとき
後部座席のシートの上に
イチゴのヘアゴムが ころりと転がった
Karakara・・・
女の子の笑い声と共に・・・
週末の夕方ということもあり
ミツバチの巣箱のように 車も人も 溢れかえっている
人ごみを避けるように 木陰で缶コーヒーを飲み終えた僕は
夕陽に照らされて
いつもより 赤みがかった
オレンジのキックスに戻ってきた
「父(Chi Chi)!!」
突然 Baracutaのハリントンジャケットが
地面から飛び出した太公望の仕掛けにひっかかったように
ぐいと引っ張られた
おっ・・・
振り向いた先には
イチゴのヘアゴムで髪を束ねた
幼稚園生くらいの 小さな小さな女の子がいた
お父さんも きっとオレンジ色の車だったのだろう
勘違いして 僕のキックスの前で 待っていたようだ

やむを得ず ハチの巣箱に飛び込んだ僕は
迷子を預けるために 人をかき分け案内所に向かった
しかし・・・
そこは
問題を抱えた人たちで あふれかえり
肩車でも 女の子を連れて 近づくのは難しい
そこで 僕らは 2階に向かった
こうなったら 僕が 見つけてやろう!
2階の飲食店からは 巨大な駐車場が一望できる
ソフトクリームを食べて Karakara笑う女の子
一安心した 僕は探偵気分で 外を見渡した
幸いオレンジ色の車は
まだまだ日本じゃ浸透していない
愛車を除いて 確認できたのは5台
そのうちの2台は フェラーリとランボルギーニ
共にオープンカーだ
女の子の容姿を見ると
スーパーカーは除外してもよいと判断した
残りは3台・・・
ここからは 現場確認が必要だ
僕は 再び女の子を肩車すると 外に出た
1台目は
老夫婦のクロスビーだった 流石に 女の子が父と呼ぶ相手ではない
2台目は 子沢山のセレナ
既にシートは満席だった
最後の1台に期待したが・・・
現場に到着したとき・・・ もう車はいなかった
「いないねぇ」
困り果てて ぼやいた僕の顔を見て
「いないねぇ」 女の子は僕をまねながら 再びKarakaと笑った
!! そうだ・・・
海老名は歩道橋で 上下線の往来ができたはずだ・・・
慌てて 僕らは下り線に向かった
しかし・・・
オレンジ色の車は 一台も停まっていなかった
万策尽きた僕は
案内所に戻ることにした
巨大なサービスエリアの冒険が楽しかったのか
ソフトクリームで満腹になったのか・・・
案内所の前の客席に座ったとたん
女の子は 僕の左手を握りながら うとうとし始めた
こんな小さいのに・・・
時折 右手で前髪をさらりと流すしぐさは
別れたカノジョを
思い出させた
そういえば・・・
ドライブの帰り道 僕らはきまって ここに寄った
カノジョは ぽるとがるのメロンパンを
僕は 皇朝の肉まんを買ったっけ・・・
Francois Klark - Always
懐かしい思い出に トリップしていたとき
「父・・・ おかわりさん」
おかわりさん?
見ると 案内所に警備員が 巡回しにきていた
「すいません 迷子です」
ここぞとばかり 僕は案内所に駆け込んだ
「それで お子さんは」
緊張感の無い女性警備員
僕は 後ろを向いて
さっきまで座っていた席を指さした・・・
あれっ いない・・・
そのとき
横から女性が割って入ってきた
「すいません 迷子なんですけど・・・ あっ・・・」
驚くような女性の声で 僕は女性の顔を確認した
!!
別れた カノジョだった
案内所の女性警備員は
僕と同じ質問を 淡々と カノジョに投げかけた
「それで お子さんは?」
あらっ?・・・
カノジョは 自分の周りを見回していた
3年前
僕たちは 初めての子供を流産で失った
女の子だった・・・
それから
少しづつ狂いはじめた歯車・・・ 僕らは違う道を歩むことになった
案内所では
迷子の迷子を 取り上げては くれなかった
僕も カノジョも 納得できなかったが
子供たちの存在を示すものを 何も持っていなかったのだから仕方ない
僕もカノジョも・・・
それぞれ 人ごみの中に消えた
キックスに戻った僕は
両手を見つめた
ジャック・リーチャー(Thomas Cruise)が抱きしめたサマンサ(Danika Yarosh)の温もりと同じ感触が
僕の両手には残っていた
あの娘・・・
どこにいちゃったんだろう・・・
♪
そのとき 携帯が鳴った
「私・・・ 歩いて来たの
もう一度 私に逢いたくなったんじゃない?」
カノジョからのメールだった
僕は メロンパンを買うために 車を出た
Bannn
運転席の扉が 閉まったとき
後部座席のシートの上に
イチゴのヘアゴムが ころりと転がった
Karakara・・・
女の子の笑い声と共に・・・
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