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ほほ笑みステップ ~ A170 ~ Footloose ~

 24,2012 23:55
1.7リッター直4エンジンは 今日も軽快に廻る
全開の窓からは 初夏の香りとA170のエンジン音がブレンドされて
車内に流れ込んでくる

今日は 月に一度のデートの日 カノジョと共に FEEL SO NICE
スタート地点の自宅前で 僕は カノジョからの指示を待った 

一月前のセミロング姿から ガラリとイメージチェンジしたショートボブの彼女が言った
 「まずは ゴーウェスト!5つ目の信号を左折! 
  そのあと4つ目に見つけたコンビニで ドリンクを買いましょう!」
 「了解!」
僕らのデートは行き先を設定しない 
条件優先の冒険ドライブ! どこに到着するかは時の運だ
前回は 雨の墓地でシュークリームを頬張ることになったが 
今日はどんな結末を迎えるか楽しみだ 
幸い 本日は五月晴れ
僕は アクセルだけでなくカーステレオも全開で 陽気に鼻歌交じり 
 「こんな日は Men at Workに限る!」


4つ目の栄誉あるコンビニは ローソンだった
僕は特保のコーラとホットドックを買った 
 「それじゃ次は僕の番! 10個目の信号を右折、その後30分直進で
  もう一度右折 それから30分はまっすぐ!」
僕の提案に カノジョはピシッと親指を立て 
 「ラジャー!」と叫んだ

彼の天然ハイテンションは 生まれつきなのだろう 
時には いらっとすることもないことはない しかし私の本心は そんな彼を求めている・・・
A170を運転しながらカノジョの記憶は 5年前にタイムトリップした

この人しかいない そう思っていた相手が 私と同じ視界を 持っていなかった
そのことに気付いた時 薄紅色の世界に存在していた私は 
果てしない暗闇に飲み込まれてしまった 
箸が転がっても笑ってしまう私が 喜劇王のムービーを見ても
口角が上がることはなかった

私の人生に 笑顔が戻ることはないと 本気で信じ始めたころ
旅先で ケニーロギンスの歌に合わせて ステップを踏む彼に出会った


 「ケニー ロドリゲスの フットルースは最高だと思わない?」
 「ロドリゲス?!」
ソンブレロに口ひげをはやし マラカスを振っているケニーロギンスが頭に浮かんだ
思わぬ展開に ぷっと噴出した 私が笑顔を取り戻した瞬間だった

更に彼は
レン・マコーミック(Kevin Bacon)をまねて 聖書(詩篇149篇)を引用した
 「すべてに時がある 笑う時 泣く時 とむらう時 そして踊る時 
踊ることで生を祝うのです 昔から人は踊ってきました 今も同じだよ 
オードリーヘパーブーンも踊ってるじゃないか」
 「ヘプバーンですけど・・・」
私の大きな黒い世界は 少しづつ崩壊し始めた
もう一度吹き出しそうになった私の手を やさしく握った彼の手は 暖かかった 
大きな銀杏の木が連なる公園で 私は思考回路を断ち切り ただ音楽に身を任せた
♪~パラダイス~愛のテーマ


 「もうすぐ時間だ 次に見えた信号を左! 1km進んだところをゴールにしよう!」
彼の声で 私は リアルタイムワールドに戻ってきた
 「OK」
A170

目の前に現れたのは 真っ青な海が目前に広がる 白亜のカフェ 
深紅のA170を駐車場に止めると私は言った
 「ベスト スポット!」

僕は慌てた
目の前にある ロッジ風の建物は 明らかに誰かの家・・・
しかし この他に建物は・・・見当たらない・・・
 「仕方ない!」 
僕は whiteのA170を路上に止めて ロッジの扉をノックした

現れたのは 老夫婦だった
僕は 丁寧に頭を下げつつも 唐突に言った
 「珈琲でもいかがですか?」 
セントヘレナ珈琲が入った魔法瓶を掲げた

 「僕とカノジョは遠距離恋愛中なんです」
僕は 老夫婦に言った
彼らは初対面の僕を 優しく迎え入れてくれた
この家の訪問者は 10年ぶりらしい

 「僕たちは 毎月一回 お互いに 車を出してドライブするのです
  行先は その時次第! そして今日 僕のゴールはこの場所でした
因みに 僕のカノジョは 海の見えるカフェがゴールだったようです」
僕は 老婦人のハンドメイド スコーンを頬張りながら
iPadの中のカノジョを紹介した

中のいいこと・・・老夫婦はにこやかに笑った

 「貴方達たちは 知ってるかしら? 
  今日(5月23日)は日本の映画で初めてキスシーンが放映された日なのよ 
  貴方達にぴったりの日ね」 By「二十歳の青春」
老婦人はいたずらっぽく笑いながら言った 
そんな彼女の右手に老紳士がそっとキスをする
 「僕らにもぴったりだよ」 
老紳士の やわらかい物腰が かっこよかった

 「あなたに逢いたい」
彼らの姿を見て カノジョが言った
 「僕もさ!」   
僕らは iPad越しにキスをした ほんのりカノジョのぬくもりを感じた

僕は 老夫婦とiPadの中のカノジョに ケニーロビンソンのフットルースを披露した
 「ロギンスよ!」
とパッドの向こうで叫ぶカノジョは 涙を流しながら笑っていた

 「きっと この夏 君を迎えに行くよ」
500kmの空間を超えて 紅白に並ぶA170を思い浮かべながら
僕は そう心に誓った





 
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