ハリケーンアワー ~ ランティス TypeR 1996~
18,2020 17:54
寺社仏閣を回って御朱印を集めるのが趣味の僕と
ブランドショッピングが趣味の君（きみ）
どうして こんな両極の趣味を持った二人が結婚できたのか
僕自身 今でも不思議だ
ただ・・・
佐野厄除け大師を訪れたあと
濃厚なミルクソフトを食べるため アウトレットに寄った僕が
何の気なしに座ったベンチの横に
つば広の麦わら帽子をかぶった君がやってきた
ふんわりと漂うラベンダーの香りが心地いい・・・
と思った瞬間・・・
まだ秋口だというのに 季節外れの 空っ風が吹いた
僕の右脳に
あおられた君（きみ）の帽子が
はるか地平線まで 飛んで行ってしまう そんなイメージが浮かび
条件反射のように 僕は 帽子を捕まえようと立ち上がった
しかし・・・
宙を舞ったのは まだ一口も食べていない 僕の右手のソフトクリームだった
Hahahahahahahahaaaaaaa
空っ風に乗った 君（きみ）の笑い声は
関東平野に響き渡った
それから二週間後
諏訪大社を見学したあと
八ヶ岳アウトレットに立ち寄った僕は
1時間並んで 手に入れたイタリアンジェラートを食べようと
ベンチに腰掛けた
と同時に 僕の右手をぐいと引っ張るもう一つの右手・・・
Paku！！！！！ Hahahahaaaaaa
「うん！ おいしいよ！！」
口の周りについたジェラートを舐めながら
そう言ったのは
あの つば広の麦わら帽子をかぶった 君（きみ）だった
神様は 僕たちで 遊んでるらしい
半年後・・・
富士浅間神社の参拝を終えて
御殿場プレミアムアウトレットに寄ったとき
三度 君（きみ）と出会ったその日から
僕の1996年型MAZDA LANTIS Coupe TypeRの助手席は 君（きみ）のものになった
僕の趣味の話を
Karakara笑いながら聴き続けた君（きみ）
僕の話のどこに笑える要素があるのかわからなかったが
「あなたの声を聴いているのが 好きなの」
そう言う君（きみ）
ちょっと 複雑な気持ちだったが 僕は幸せだった
そんな僕らに 子供ができた
未来の 幸せが約束されたと思ったのに・・・
君（きみ）は 僕と娘をおいて逝ってしまった
それから ずっと LANTISの助手席は 空席のままだ
娘を 大切に育てること
ハリケーンアワーのノーラン（Paul Walker）がアビガイル（Génesis Rodríguez）に誓ったように
それだけを考えて 生き続けた
そして今年 娘は 遠い南の街での就職が決まった
「お父さん・・・ ドライブに行こうよ」
LANTISの助手席に娘を乗せた
行先は 御殿場プレミアムアウトレット
君（きみ）と同じようにブランドショッピングが趣味になった娘
到着後は 自由行動にした
あのとき座ったベンチの場所には 真新しいベンチが おかれていた
ずっと ずっと 封印してきた 僕と君（きみ）の思い出を感じながら
ゆっくり 空を見上げた僕は
そばにいるだろう 君（カノジョ）に向かって呟いた
「あの娘は 君に似た かわいい女性になったよ」
暖かい秋の日差しに 心地よい風・・・
John Legend - All of Me
！！！
どこから飛んできたのか 僕の右手に つばの広い帽子がひっかかった
あたりを見回しても 持ち主はいない
帽子の内側を覗いても もちろん名前など書かれていない
あっ・・・
帽子から ふわりと ラベンダーの香りがした・・・
「お父さん」
気が付くと娘が目の前に立っていた
「今まで 育ててくれてありがとう！」
娘からの一言は
初めてのプレゼント付だった
箱の中身は ペンギン柄のネクタイ
そういえば・・・
君（きみ）からの 初めてのプレゼントも・・・ペンギンのネクタイだった
確か・・・
「あなた（パパ）の歩き方は よちよち歩きで ペンギンみたいだから」
そんなこと 君（きみ）から以外に言われたことはないよ
帽子を娘の頭にかぶせた
目の前にいるのは 君（きみ）なのか・・・それとも娘なのか
わからなくなった
その時 神様が 僕とカノジョをつなぎ合わせたリーズンを感じた
ブランドショッピングが趣味の君（きみ）
どうして こんな両極の趣味を持った二人が結婚できたのか
僕自身 今でも不思議だ
ただ・・・
佐野厄除け大師を訪れたあと
濃厚なミルクソフトを食べるため アウトレットに寄った僕が
何の気なしに座ったベンチの横に
つば広の麦わら帽子をかぶった君がやってきた
ふんわりと漂うラベンダーの香りが心地いい・・・
と思った瞬間・・・
まだ秋口だというのに 季節外れの 空っ風が吹いた
僕の右脳に
あおられた君（きみ）の帽子が
はるか地平線まで 飛んで行ってしまう そんなイメージが浮かび
条件反射のように 僕は 帽子を捕まえようと立ち上がった
しかし・・・
宙を舞ったのは まだ一口も食べていない 僕の右手のソフトクリームだった
Hahahahahahahahaaaaaaa
空っ風に乗った 君（きみ）の笑い声は
関東平野に響き渡った
それから二週間後
諏訪大社を見学したあと
八ヶ岳アウトレットに立ち寄った僕は
1時間並んで 手に入れたイタリアンジェラートを食べようと
ベンチに腰掛けた
と同時に 僕の右手をぐいと引っ張るもう一つの右手・・・
Paku！！！！！ Hahahahaaaaaa
「うん！ おいしいよ！！」
口の周りについたジェラートを舐めながら
そう言ったのは
あの つば広の麦わら帽子をかぶった 君（きみ）だった
神様は 僕たちで 遊んでるらしい
半年後・・・
富士浅間神社の参拝を終えて
御殿場プレミアムアウトレットに寄ったとき
三度 君（きみ）と出会ったその日から
僕の1996年型MAZDA LANTIS Coupe TypeRの助手席は 君（きみ）のものになった
僕の趣味の話を
Karakara笑いながら聴き続けた君（きみ）
僕の話のどこに笑える要素があるのかわからなかったが
「あなたの声を聴いているのが 好きなの」
そう言う君（きみ）
ちょっと 複雑な気持ちだったが 僕は幸せだった
そんな僕らに 子供ができた
未来の 幸せが約束されたと思ったのに・・・
君（きみ）は 僕と娘をおいて逝ってしまった
それから ずっと LANTISの助手席は 空席のままだ
娘を 大切に育てること
ハリケーンアワーのノーラン（Paul Walker）がアビガイル（Génesis Rodríguez）に誓ったように
それだけを考えて 生き続けた
そして今年 娘は 遠い南の街での就職が決まった
「お父さん・・・ ドライブに行こうよ」
LANTISの助手席に娘を乗せた
行先は 御殿場プレミアムアウトレット
君（きみ）と同じようにブランドショッピングが趣味になった娘
到着後は 自由行動にした
あのとき座ったベンチの場所には 真新しいベンチが おかれていた
ずっと ずっと 封印してきた 僕と君（きみ）の思い出を感じながら
ゆっくり 空を見上げた僕は
そばにいるだろう 君（カノジョ）に向かって呟いた
「あの娘は 君に似た かわいい女性になったよ」
暖かい秋の日差しに 心地よい風・・・
John Legend - All of Me
！！！
どこから飛んできたのか 僕の右手に つばの広い帽子がひっかかった
あたりを見回しても 持ち主はいない
帽子の内側を覗いても もちろん名前など書かれていない
あっ・・・
帽子から ふわりと ラベンダーの香りがした・・・
「お父さん」
気が付くと娘が目の前に立っていた
「今まで 育ててくれてありがとう！」
娘からの一言は
初めてのプレゼント付だった
箱の中身は ペンギン柄のネクタイ
そういえば・・・
君（きみ）からの 初めてのプレゼントも・・・ペンギンのネクタイだった
確か・・・
「あなた（パパ）の歩き方は よちよち歩きで ペンギンみたいだから」
そんなこと 君（きみ）から以外に言われたことはないよ
帽子を娘の頭にかぶせた
目の前にいるのは 君（きみ）なのか・・・それとも娘なのか
わからなくなった
その時 神様が 僕とカノジョをつなぎ合わせたリーズンを感じた
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