FC2ブログ

寝待月 ~ New Beetle ~ ローマの休日 ~

 10,2012 23:59
Rikaと僕とは 天文学的な確率でつながっていた
幼稚園から大学を卒業するまで 僕たちは常に同じクラスだった

 「またふられたでしょ!」
 「うるさい!」
カノジョ以外の女性とは ろくに話もできない僕は 
当然恋人ができることも無く 
いつもこんな風にRikaに 揶揄されていた 

ここまで長い付き合いになると 二人の生活パターンは同期してくる
食べたいものや 行きたい場所まで 阿吽の呼吸で合致する
見えない力で引き合っている・・・ そう 月と地球の様に
因みに 僕と彼女の主従関係から言うと 月の方が僕だった
 
しかし 僕たちは社会人になり 別々の人生を歩み始めた・・・

Hhaaaaaaaaa
ため息のたびに 僕のハートの中にある 南部風鈴が 
Chireeen・・・
と音を立てる
ゴールデンウィークを過ぎたころの僕は
クリスピー・クリームのドーナツのように 次から次に ため息を生産した

昼休みに 
ふらっと足を運んだ 芝公園のベンチで腰をかけた僕は 
増上寺の向こう側にある 震災で曲がった 東京タワーを眺めつつ
 「お前も 五月病かい・・・」と呟いた 

そんなとき 着信音 ♪素顔のままでビリージョエル ♪


 「元気!?・・・」
久しぶりに聴くRikaの声
 「あぁー 元気だがぁ 元気じゃぁない・・・」
懐かしい声につい愚痴がでてしまう
 「文法的に問題がある回答だけど・・・わたしも そんな感じ・・・」
と彼女が言った 

 「今日は なんの日だ?」
 「・・・ビリーの誕生日だろ」
5/9 カノジョお決まりの質問 いつしか僕もビリー通になっていた
 「二人でお祝いをしようよ!」
”スペース1999”のようにう宇宙をさまよう月となっていた僕は
間髪を入れずカノジョの誘いを受け入れた 
母なる地球に帰ってきた 沖田艦長のような心境だった

SOWA”で待ち合わせ
ソフトクリームを買った僕らは ワーゲンで南を目指した
DOHC 5バルブ ターボのエキゾーストを楽しみながら
New Beetle

僕はカノジョに言った
 「実は今日 僕も君に電話しようと思っていたんだ
  アイスクリームを食べに行かないかってね」
 「5/9 アイスクリームの日だからでしょ!」
カノジョに先を越された
相変わらず主従関係は変わらない でも本当の目的は それじゃなかった

Fufufu・・・・・
カノジョが笑い出した
 「どっ どうした?」
 「あまりにも君が 変わってないから」
 「不謹慎な! これでも社会人だぞ! 大人だぞ!」
そういう僕も 久しぶりに心から笑った

 「どぉ? オードリー見たい?」
ソフトクリームをぺろりとするカノジョ 
つまり僕はグレゴリーペックと言うわけだ


助手席のお姫様のために 僕はとっておきの場所 城南島海浜公園へ向かった

スーパームーンの名残・・・
いつもより15%大きい月齢17.8の月が 海岸線から昇り始めた
 「もうすぐ日が変わってしまう それではだめなんだ!」
僕はカノジョに告白しようとしていた しかし最後の勇気が出てこない 
・・・沈黙・・・

今日 5/9は”告白の日”ということをRikaは知っていた
彼の口から どんな言葉が出るのか 
カノジョは寝待月を見ながら ゆっくり彼を見守った
ワーゲンの黄色いボディが 満月に見えた  



スポンサーサイト



Latest Posts -


ローマの休日 製作50周年記念 デジタル・ニューマスター版 (初回生産限定版) [DVD]




ブラーゴ 1/18 3302 VW ワーゲン ニュービートル 1998 イエロー



01 2020/02 03
Sun Mon Tue Wed Thu Fri Sat
- - - - - - 1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29