アンドロメダ ・・・~ シャレード デ・トマソ 1995 ~
17,2020 23:26
高層マンションのベランダから外を眺める
緊急事態宣言が出た 湾岸エリアは
スクープ計画により落下した人工衛星の回収場所である
映画アンドロメダのニューメキシコ州ピートモントのように
車も人も 動くものが見当たらない ゴーストタウン・・・
これは写真かと思ったとき
真っ青な空を
のんびりと旋回する ユリカモメが これが 現実の風景であることを 僕に認識させた
コロナウィルスによる自宅待機が始まって一か月
僕は 余りある時間を
部屋の整理に使うことにした
残業にかこつけて
引っ越し以来
荷ほどきすら していなかった 段ボール・・・
その中には 20年前の僕とカノジョ そして真っ赤なシャレード・デ・トマソが 居た
E-G201S
125馬力を発生する1.6L 直列4気筒OHC16バルブは
920Kgの超軽量なボディで軽快に街を走り抜けた
社会人になりたての僕は
毎日 やってくる 悩みのウェーブを
Fooon と吹き上がる シャレードの排気音と カノジョの存在で乗り切っていた

免許取り立てで トランスミッションへの負荷は
膨大だったにもかかわらず シンプルな構造のシャレードは 一度も故障したことはなかった
そして カノジョも
僕の運転を ”刺激的”という言葉で やさしく包んでくれた
「おじいちゃん おばあちゃんになったとき 一緒に見ようね」
と カノジョは いつもハンディカムを回していた
エンスト場面も もちろん 動画ストックの中に入っていた・・・
カノジョ鵜を助手席に乗せて 湾岸から峠を走り抜る
僕のストレスが
50%以下に落ち着つく 深夜にアパートに戻ると
僕は シャワーに直行した
その間に カノジョは
僕の大好きな しっとりしたポテトフライと キンキンに冷えたラガービールを 用意してくれていた
「今日はビール2本よ!」
ベランダの窓を開けたまま
ビールを片手に 眠ってしまった彼に
リビングのモニターに映った 20年前のカノジョが言った・・・
あれから 20年・・・
大人の社会に染まった彼は 効率という物差しを手に入れた
都会にいるなら 車なんて必要ない・・・
尺度を変えた彼は 無駄を省いた節約生活によって
湾岸の高層マンションと 安定した生活を手に入れた
しかし・・・
そこは デ・トマソもカノジョもいない 写真のように固まった世界だった
5月の風に乗って
高層マンションのベランダに やってきたユリカモメは
彼の手の中にあるタブレットを見つめている
タブレットには 真っ赤な中古のシャレード・デ・トマソの見積依頼が発信された画面が映っていた
緊急事態宣言が出た 湾岸エリアは
スクープ計画により落下した人工衛星の回収場所である
映画アンドロメダのニューメキシコ州ピートモントのように
車も人も 動くものが見当たらない ゴーストタウン・・・
これは写真かと思ったとき
真っ青な空を
のんびりと旋回する ユリカモメが これが 現実の風景であることを 僕に認識させた
コロナウィルスによる自宅待機が始まって一か月
僕は 余りある時間を
部屋の整理に使うことにした
残業にかこつけて
引っ越し以来
荷ほどきすら していなかった 段ボール・・・
その中には 20年前の僕とカノジョ そして真っ赤なシャレード・デ・トマソが 居た
E-G201S
125馬力を発生する1.6L 直列4気筒OHC16バルブは
920Kgの超軽量なボディで軽快に街を走り抜けた
社会人になりたての僕は
毎日 やってくる 悩みのウェーブを
Fooon と吹き上がる シャレードの排気音と カノジョの存在で乗り切っていた

免許取り立てで トランスミッションへの負荷は
膨大だったにもかかわらず シンプルな構造のシャレードは 一度も故障したことはなかった
そして カノジョも
僕の運転を ”刺激的”という言葉で やさしく包んでくれた
「おじいちゃん おばあちゃんになったとき 一緒に見ようね」
と カノジョは いつもハンディカムを回していた
エンスト場面も もちろん 動画ストックの中に入っていた・・・
カノジョ鵜を助手席に乗せて 湾岸から峠を走り抜る
僕のストレスが
50%以下に落ち着つく 深夜にアパートに戻ると
僕は シャワーに直行した
その間に カノジョは
僕の大好きな しっとりしたポテトフライと キンキンに冷えたラガービールを 用意してくれていた
「今日はビール2本よ!」
ベランダの窓を開けたまま
ビールを片手に 眠ってしまった彼に
リビングのモニターに映った 20年前のカノジョが言った・・・
あれから 20年・・・
大人の社会に染まった彼は 効率という物差しを手に入れた
都会にいるなら 車なんて必要ない・・・
尺度を変えた彼は 無駄を省いた節約生活によって
湾岸の高層マンションと 安定した生活を手に入れた
しかし・・・
そこは デ・トマソもカノジョもいない 写真のように固まった世界だった
5月の風に乗って
高層マンションのベランダに やってきたユリカモメは
彼の手の中にあるタブレットを見つめている
タブレットには 真っ赤な中古のシャレード・デ・トマソの見積依頼が発信された画面が映っていた
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