レオン ~ イグニス 2019 ~
09,2020 17:32
海が見える丘の上
ぐるりとクレマチスの垣根で覆われている駐車場
敷地内にはcafeがある
”Leon”
冬咲きの 真っ白なユンナンエンシスの花の香りが
海風に押されて
僕と一緒に 店の中に流れこんだ
「やあ」
cafeの店主である アビシニアンのマチルダが 言った
その日は
店の一番奥にあるリザーブ席で
駐車場とカフェの所有者である女主人のNamiさんが
フランネルのスーツを着た男と 話し合っていた
「なんとかならないかなぁ お願いしますよ」
このあたりは一軒家が多いが
アメ車が停められるような大きな駐車場は貴重だった
しかし 駐車場は
ほぼ全て契約済みだった
「あの場所があるじゃないですか」
粘着質の訪問者が指さした場所は
唯一空いている軽自動車専用エリア
「枠の中にある木を切れば 1台分は確保できるでしょう?」
「そうですねぇ・・・」
女主人は 何かをあきらめるように 頷いた・・・
「Namiさん・・・ 提案があります」
無粋な訪問者が帰ったあと
僕は女主人に提案した
Namiさんの夫は漁師だった
ジャンレノが扮したLeonによく似た彼は
大自然の恐ろしさを知っていた
万一に備えて 彼は 駐車場とカフェをカノジョに残していた
10年前のあの日
この駐車場の最後の契約者でもあり
契約者の中で 最年少だった僕を弟のように慕っていた彼は
1つのクレマチスの鉢を託して 海に出た
そして・・・
そのまま海の住人になった
カノジョと相談して
クレマチスは 彼の車が停められていた枠の中に植えられた
その日から あの場所は 軽専用となった

真っ赤なコルベットが
僕の車が停まっていた場所の新しい住人となり
僕の愛車は イグニスに変わった
軽専用エリアに前向で駐車された
イグニスのボンネットは
マチルダにとって 最高の お昼寝場所になった
そして今日も
クレマチスの香りは 駐車場とcafeを包み込んだ
ぐるりとクレマチスの垣根で覆われている駐車場
敷地内にはcafeがある
”Leon”
冬咲きの 真っ白なユンナンエンシスの花の香りが
海風に押されて
僕と一緒に 店の中に流れこんだ
「やあ」
cafeの店主である アビシニアンのマチルダが 言った
その日は
店の一番奥にあるリザーブ席で
駐車場とカフェの所有者である女主人のNamiさんが
フランネルのスーツを着た男と 話し合っていた
「なんとかならないかなぁ お願いしますよ」
このあたりは一軒家が多いが
アメ車が停められるような大きな駐車場は貴重だった
しかし 駐車場は
ほぼ全て契約済みだった
「あの場所があるじゃないですか」
粘着質の訪問者が指さした場所は
唯一空いている軽自動車専用エリア
「枠の中にある木を切れば 1台分は確保できるでしょう?」
「そうですねぇ・・・」
女主人は 何かをあきらめるように 頷いた・・・
「Namiさん・・・ 提案があります」
無粋な訪問者が帰ったあと
僕は女主人に提案した
Namiさんの夫は漁師だった
ジャンレノが扮したLeonによく似た彼は
大自然の恐ろしさを知っていた
万一に備えて 彼は 駐車場とカフェをカノジョに残していた
10年前のあの日
この駐車場の最後の契約者でもあり
契約者の中で 最年少だった僕を弟のように慕っていた彼は
1つのクレマチスの鉢を託して 海に出た
そして・・・
そのまま海の住人になった
カノジョと相談して
クレマチスは 彼の車が停められていた枠の中に植えられた
その日から あの場所は 軽専用となった

真っ赤なコルベットが
僕の車が停まっていた場所の新しい住人となり
僕の愛車は イグニスに変わった
軽専用エリアに前向で駐車された
イグニスのボンネットは
マチルダにとって 最高の お昼寝場所になった
そして今日も
クレマチスの香りは 駐車場とcafeを包み込んだ
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