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運び屋 ~ XC90 2018 ~

 30,2019 23:42
仕事に追われて
深夜遅くに帰る毎日
一つ屋根の下に暮らすカノジョとも 
ここ一月 面と向かって会話をする機会もなかった
しかし 
それも 家族のため・・・ 
今 努力しなければ 幸せな暮らしを手にすることはできない
定時に帰る同僚を見ながら 僕はパソコンに向かい続けた

おっと・・・! そうだ・・・

仕事人間だからといっても 
カノジョへの フォローは欠かせない

いつものように 
愛用のガラケーで メールを入れた

「今日も遅くなります 愛しているよ」

「K」と入力するだけで、すべての文章が表示される 便利な世の中だ

ただ・・・ 
今日はそのあとに・・・

「明日 社員食堂が休みのため お弁当 お願いできますか?」

と付け加えた
定型文以外のメールを送ったのは 去年の結婚記念日以来だった 

XC90 2018

Pinnnnnnnnnnnnnnnnnnnnnnnnn

すぐに 乾いたメールの着信音が響いた

そう言えば・・・
 
いつもメールは僕の一方通行
カノジョからの返信メールは 久しぶりだった
ほんの少し 
ラブレターを開けるときのような 
緊張感をおぼえながら メールを開いた

「あきれた・・・ まさか私が家を出たの知らなかったの」

えっ・・・

仕事に追われた僕は 
深夜に帰り 早朝に出かける
寝るだけの生活が続いていたのは事実だけど・・・ 

カノジョが 家を出た・・・だって・・・

その日 僕は 久しぶりに太陽が沈む前に家に帰った
自宅は 寂れた地方銀行の金庫室の中のように 
無音の世界だった



カノジョは いなかった

新婚旅行の時に買った 
一対の ベネチアンガラスの天使像が 
唯一カノジョがこの場所にいた証だった

途方に暮れて 寝室の窓を開けると・・・
!!
裏庭の駐車場に 愛車のXC90も なくなっていることに気付いた



当て所なく 繁華街を歩いていた僕は 
いつの間にか レイトショーに入っていた・・・

憧れだった永遠のカウボーイが主演する映画は
僕と同じように 大切な人に見捨てられた 
一人ぼっちの男の話だった・・・

「愛されるのに お金持ちになる必要はないのよ・・・」

彼の妻が そう言ったとき 
涙がこぼれた・・・

翌日・・・
出勤時間になっても
僕は ベッドから起き上がれなかった

FooooooooooooN

XC90のクラクション!?・・・が聞こえた気がした

駐車場を見ると 
スカイブルーのXC90が 戻っていた

そして 運転席には 
僕の大好きな桜飯のおにぎりが6つ・・・

「いつも 多すぎるんだよ・・・」

シャワーを浴びたあと
ブルーのサマージャケットを羽織った僕は
XC90に乗り込んだ

T字路を右折すると 会社までは一本道・・・
だが・・・
XC90は 左にウインカーを出した

バックミラーに映る 後方は 曇天が続くモノトーンの世界・・・
一方 眼前に広がる世界は 
キラキラ輝くスカイブルーに覆われた天然色だった

XC90の後部座席には
真っ赤なデイリリーの花束が積まれていた




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