荒野のストレンジャー ~ 911 フラットノーズ ~
17,2018 21:23
世界中がモノトーンになる梅雨の季節でも
夕日が西の空を
オレンジに焼く日がある
この時期の日没は18時59分・・・
いつも厚い雲に覆われているので
太陽の働いている時間が
こんなにも長くなっていることに 大人たちは気付かない
だから・・・
日没時間の今も 公園の中では 子供たちがたくさん遊んでいた
公園の側道を
ブルーのロードスターで通過していた僕は
窓を全開して 愛車とともに 新緑の香りを楽しんでいた
バックミュージックは・・・TOTO Africa・・・
と・・・その時!!
目の前に停まっていた車の助手席が開いて
突然 真っ赤なスニーカーを履いた少年が
道路に飛び出してきた・・・
Kiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiii
ブレーキだけでは 間に合わない・・・
咄嗟に ハンドルを 右に切った!
Gasyaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaan
愛車は ガードレールにキスをして・・・停まった
Fuuuuuuuuuuuuuuuuuuuuu・・・
大きく 深呼吸したあと
車から出た僕は 少年のところへ駆けつけた
「大丈夫かい・・・」
幸い車との接触は 避けられたが
相当 驚いたのだろう・・・
少年は 呆然と立ち尽くしていた
「本当に 申し訳けありません・・・」
声の主は 背後から現れた
トミーフィルフィガーのポロシャツを着た老紳士は
子供の頭を抱えながら
膝を地面につけて 僕に謝罪した
少年は 泣き始めていた
「修理代を 弁償させてください」
老紳士は 車を指さして言った
リトラクタブルライトのロードスターの右目は
ライトを点灯していないのに
完全に目を開いていた
しかし 公園の側道で
スピードが出ていなかったため
ロードスターは 自走可能だった
僕は 老紳士の申し出を断ると 少年の頭をなでながら言った
「おじいさんに心配かけちゃだめだぞ!」
老紳士が言った
「せめて お名前だけでも 教えていただけませんか」
「あなたは 僕のことを知ってますよ ・・・ それじゃ 」
不思議そうな顔で見送る 老紳士を後に ロードスターは走り去った
30年前・・・
この公園で 犬の散歩をしていた 小学生は
誤ってリードを離してしまった
犬を追いかけて 道路に飛び出した少年・・・
そこに ブラウンの911フラットノーズが迫っていた
Kiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiii
Gasyaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaan
右目のリトラクタブルライトが ウインクを繰り返している・・・
「怪我はないようだね 本当に よかった」
911から 降りてきたドライバーは言った
「ごめんなさい・・・ ごめんなさい・・・」
少年は 痛々しく傷ついた 車を指さして 泣きながら謝った
「いいんだよ
ほらっ こいつ ウインクしているだろう!
大丈夫って 言っているんだ」

そう言うと ドライバーは 僕をとがめることなく 走り去った
あの時の 911フラットノーズが
ロードスターのバックミラーに老紳士とともに映っていた・・・
夕日が西の空を
オレンジに焼く日がある
この時期の日没は18時59分・・・
いつも厚い雲に覆われているので
太陽の働いている時間が
こんなにも長くなっていることに 大人たちは気付かない
だから・・・
日没時間の今も 公園の中では 子供たちがたくさん遊んでいた
公園の側道を
ブルーのロードスターで通過していた僕は
窓を全開して 愛車とともに 新緑の香りを楽しんでいた
バックミュージックは・・・TOTO Africa・・・
と・・・その時!!
目の前に停まっていた車の助手席が開いて
突然 真っ赤なスニーカーを履いた少年が
道路に飛び出してきた・・・
Kiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiii
ブレーキだけでは 間に合わない・・・
咄嗟に ハンドルを 右に切った!
Gasyaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaan
愛車は ガードレールにキスをして・・・停まった
Fuuuuuuuuuuuuuuuuuuuuu・・・
大きく 深呼吸したあと
車から出た僕は 少年のところへ駆けつけた
「大丈夫かい・・・」
幸い車との接触は 避けられたが
相当 驚いたのだろう・・・
少年は 呆然と立ち尽くしていた
「本当に 申し訳けありません・・・」
声の主は 背後から現れた
トミーフィルフィガーのポロシャツを着た老紳士は
子供の頭を抱えながら
膝を地面につけて 僕に謝罪した
少年は 泣き始めていた
「修理代を 弁償させてください」
老紳士は 車を指さして言った
リトラクタブルライトのロードスターの右目は
ライトを点灯していないのに
完全に目を開いていた
しかし 公園の側道で
スピードが出ていなかったため
ロードスターは 自走可能だった
僕は 老紳士の申し出を断ると 少年の頭をなでながら言った
「おじいさんに心配かけちゃだめだぞ!」
老紳士が言った
「せめて お名前だけでも 教えていただけませんか」
「あなたは 僕のことを知ってますよ ・・・ それじゃ 」
不思議そうな顔で見送る 老紳士を後に ロードスターは走り去った
30年前・・・
この公園で 犬の散歩をしていた 小学生は
誤ってリードを離してしまった
犬を追いかけて 道路に飛び出した少年・・・
そこに ブラウンの911フラットノーズが迫っていた
Kiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiii
Gasyaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaan
右目のリトラクタブルライトが ウインクを繰り返している・・・
「怪我はないようだね 本当に よかった」
911から 降りてきたドライバーは言った
「ごめんなさい・・・ ごめんなさい・・・」
少年は 痛々しく傷ついた 車を指さして 泣きながら謝った
「いいんだよ
ほらっ こいつ ウインクしているだろう!
大丈夫って 言っているんだ」

そう言うと ドライバーは 僕をとがめることなく 走り去った
あの時の 911フラットノーズが
ロードスターのバックミラーに老紳士とともに映っていた・・・
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