女と男の観覧車 ~ XC60 2017 ~
06,2018 23:07
上京してOLになったカノジョは 今年もGWに帰省した
9日間の大型連休のうち
8日間を家族や 幼馴染の女友達と過ごしたカノジョは
最終日 帰り支度を整えて 彼のところへ向かった
地元の遊園地に勤める彼にGWはない ただ・・・
GW最終日は 閑散日になるため
園長の計らいで 彼は毎年休みを取ることができた
世間のお父さんの体力の限界に感謝!!
おかげで この日が 一年で唯一
彼と休みが重なる日になっていた
「さて どこへ行きたい?!」
XC60を運転する彼が 毎年恒例の一言を口にする
「いつもの ルートで!!」
それは 彼と初めてデートしたときに廻ったルートのこと
地元のホームセンターにある映画館で ウッディアレンの映画を見た後
彼の大好きなDIY用品をウィンドウショッピング
「いつか 二人の家も 僕が手づりしよう」
13年前の彼が言ったこと・・・
その時は笑い飛ばしてしまったけど
あれは プロポーズだったのかなと たまに思う・・・
ショップを出ると 海開き前の砂浜を散歩しながら ハンバーガーを頬張る
そして 最後は 街が一望できる丘の上の公園へ

・・・
一年に一日だけのデートは
公園の時計が見えなくなるまでと決まっていた
僕らにとって 魔法が切れる時間は 午前0時ではなく・・・日没20分後の18:50
これが かぼちゃの馬車(・・・カノジョの乗る最終列車) に間に合うぎりぎりの時間だった・・・
電話やメールでは 毎日欠かさず話し合う僕たち
でも・・・
今日だけは 目の前に 触れられるカノジョがいる・・・
それだけで僕は幸せだった
でも・・・ カノジョはどうなのだろう・・・
GW中 大混雑の遊園地にいる 僕に配慮してか
カノジョは いつも 人込みを避けるように 毎年決まったルートを選ぶ
過疎が進むこの街でも いくつか 若者たちに人気の新スポットはあるのに
来年閉館するらしい映画館では
10年以上前 カノジョと見たときと同じように
ウッディアレン監督の作品が上映されていた
彼の映画のヒロインは どうしていつも役者なのだろう・・・そんなことを思った
映画が終わると カノジョの好きな園芸の店を廻りながら砂浜へ
本当は愛車のXC60でもっとドライブしたいところだが
最後は 街が一望できる丘の上の公園へ
ブランコに滑り台 そしてジャングルジム
昔ながらの公園は
10年以上前の記憶と変わらない
町役場にも忘れ去られた遊具たちは
どれも触れば
錆びた臭いがして
それが また僕らを子供のころにタイムトリップさせる
ジャングルジムのてっぺんに上り
街を見渡すカノジョが言った
「あー 観覧車に 乗りたいな・・・」
遠くに 僕の勤めている遊園地の観覧車が見えた
都会のそれとは違い 何の照明もない大車輪は 日が沈み 闇に飲まれていく
「観覧車は あんあに大きな車なのに
決して遊園地の外に出られない
自分の殻から抜け出せない 僕と似ているな・・・」
隣で彼が ぽつりと言った
街灯の無い公園の時計は 早くも その姿をとらえるのが困難になってきた
今年のデートも もうおしまいか・・・
お互いが そう思い始めたころ・・・
暗闇の中から
突然 公園の時計が 明るく浮かび上がった
!!
XC60のカーオーディオをバックミュージックにして流していたため
オートヘッドライトが点灯したのだった
シンデレラのガラスの靴のように
今宵の公園の時計は
魔法が切れても姿を消すことはなかった
そして 彼とカノジョの姿も
19:00を過ぎても 公園から消えることはなく・・・
XC60 から流れる TOTOの「Africa」とともに 月明かりが 二人を包んでいた
9日間の大型連休のうち
8日間を家族や 幼馴染の女友達と過ごしたカノジョは
最終日 帰り支度を整えて 彼のところへ向かった
地元の遊園地に勤める彼にGWはない ただ・・・
GW最終日は 閑散日になるため
園長の計らいで 彼は毎年休みを取ることができた
世間のお父さんの体力の限界に感謝!!
おかげで この日が 一年で唯一
彼と休みが重なる日になっていた
「さて どこへ行きたい?!」
XC60を運転する彼が 毎年恒例の一言を口にする
「いつもの ルートで!!」
それは 彼と初めてデートしたときに廻ったルートのこと
地元のホームセンターにある映画館で ウッディアレンの映画を見た後
彼の大好きなDIY用品をウィンドウショッピング
「いつか 二人の家も 僕が手づりしよう」
13年前の彼が言ったこと・・・
その時は笑い飛ばしてしまったけど
あれは プロポーズだったのかなと たまに思う・・・
ショップを出ると 海開き前の砂浜を散歩しながら ハンバーガーを頬張る
そして 最後は 街が一望できる丘の上の公園へ

・・・
一年に一日だけのデートは
公園の時計が見えなくなるまでと決まっていた
僕らにとって 魔法が切れる時間は 午前0時ではなく・・・日没20分後の18:50
これが かぼちゃの馬車(・・・カノジョの乗る最終列車) に間に合うぎりぎりの時間だった・・・
電話やメールでは 毎日欠かさず話し合う僕たち
でも・・・
今日だけは 目の前に 触れられるカノジョがいる・・・
それだけで僕は幸せだった
でも・・・ カノジョはどうなのだろう・・・
GW中 大混雑の遊園地にいる 僕に配慮してか
カノジョは いつも 人込みを避けるように 毎年決まったルートを選ぶ
過疎が進むこの街でも いくつか 若者たちに人気の新スポットはあるのに
来年閉館するらしい映画館では
10年以上前 カノジョと見たときと同じように
ウッディアレン監督の作品が上映されていた
彼の映画のヒロインは どうしていつも役者なのだろう・・・そんなことを思った
映画が終わると カノジョの好きな園芸の店を廻りながら砂浜へ
本当は愛車のXC60でもっとドライブしたいところだが
最後は 街が一望できる丘の上の公園へ
ブランコに滑り台 そしてジャングルジム
昔ながらの公園は
10年以上前の記憶と変わらない
町役場にも忘れ去られた遊具たちは
どれも触れば
錆びた臭いがして
それが また僕らを子供のころにタイムトリップさせる
ジャングルジムのてっぺんに上り
街を見渡すカノジョが言った
「あー 観覧車に 乗りたいな・・・」
遠くに 僕の勤めている遊園地の観覧車が見えた
都会のそれとは違い 何の照明もない大車輪は 日が沈み 闇に飲まれていく
「観覧車は あんあに大きな車なのに
決して遊園地の外に出られない
自分の殻から抜け出せない 僕と似ているな・・・」
隣で彼が ぽつりと言った
街灯の無い公園の時計は 早くも その姿をとらえるのが困難になってきた
今年のデートも もうおしまいか・・・
お互いが そう思い始めたころ・・・
暗闇の中から
突然 公園の時計が 明るく浮かび上がった
!!
XC60のカーオーディオをバックミュージックにして流していたため
オートヘッドライトが点灯したのだった
シンデレラのガラスの靴のように
今宵の公園の時計は
魔法が切れても姿を消すことはなかった
そして 彼とカノジョの姿も
19:00を過ぎても 公園から消えることはなく・・・
XC60 から流れる TOTOの「Africa」とともに 月明かりが 二人を包んでいた
![]() |
![]() スポンサーサイト
Latest Posts - |