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ナミヤ雑貨店の奇蹟 ~ NSX 1992 ~

 25,2018 23:36
老朽化したガレージのシャッター
もともとガタが来ていたのだが どうして今日なのだろう
どんなに体当たりをしても びくともしない
・・・
上司に言われるがままに 
仕事漬けの生活を続けてきた僕は
カノジョと ともに 健康すらも手放してしまった
結果 職も失った僕に残されたのはNSXだけだった
 
1992年 バブル絶頂期に誕生した
国産初のスーパーカー ホンダNSX
一目ぼれして ローンで手に入れてから27年
僕の生きがいでもある愛車は
もはやクラシックカーの域に達している

NSX 1992

しかし・・・
唯一残った 僕らしさの象徴も
仕事なしにでは 養っていくことは不可能だった
ガレージを借り続けるわけにもいかず 

今日・・・
NSXは バイヤーのもとに届けることになっていた
1年分の生活費を確保するために

自暴自棄になった僕は
僕自身が壊れてもいいという思いで 
頭からシャッターに 体当たりを敢行しようとした

”今日こいつが売れなきゃ どうせ生きていけないんだから・・・”

と・・・そのとき 
シャッターは 外側からの突風で あっけなく引き上げられた

ぶつかる相手がいなくなった僕は 頭から転倒した

頭上を旋回した流れ星 4つが消えたとき
 
ここが 1970年代・・・それも 僕が育った街であることに気づいた

本来なら途方に暮れるような状況だったが
既に絶望のど真ん中にいた僕には 
この環境を すんなり受け入れることができた

旧車が行きかう道路の向こう側に
小学生のころ通った 駄菓子屋が見えた
そういえば・・・
駄菓子屋の向かいに 幽霊屋敷と呼んでいた家があった
そこのガレージは いつもシャッターが下りていたっけ・・・

そんなことを思い出していると

「おじさん・・・大丈夫??」
声が聞こえた

Earth, Wind & Fire - Miracles


頭をさすりながら 声の主に目を向けた僕は・・・
そこに ランドセルを背負った 小学5年生の僕を見つけた

「幽霊屋敷のシャッターが開いて おじさんが出てくるから 驚いたよ!!
 お化け・・・じゃないよね・・・ 足があるし・・・
 あっ!! これスーパーカーでしょ!! すごいなー!!」

マシンガンのようにしゃべり始めた小学生の僕・・・ 
彼は靴を履いていなかった・・・

そうさ・・・
僕は小学校時代・・・
毎日いじめにあっていたんだ
今も昔も・・・ ホントに いい人生じゃなかった

足元を見られたことに気づいた小学生の僕は言った

 「靴がなかったおかげで 
  歩道が乾いている幽霊屋敷側を 歩いて帰ってきたんだ 
  そしたら スーパーカーと出会えた!! 今日は最高だよ おじさん! 」

そうだ・・・
父はいつも言っていた
何事もプラス思考でいれば そのうち幸せがやってくると・・・

小学校5年生の自分は それを自然に実践していた
いつのころからだろう・・・僕は そんな習慣を忘れていた

「病気にならなければ 会社を辞められなかった・・・ 新しい仕事を見つけるチャンスさ!
 カノジョがいなくなったから カノジョを本当に愛していたことに気づいたんだ・・・
 もう一度  カノジョに会うべきだ!!」

もう一度だけ ・・・そう考えてみよう
自分の時代に帰れたなら・・・

「ありがとう! 君のおかげで勇気が出てきたよ!
 お礼に こいつに乗せてやろう!」

そういうと 彼は言った

 「おじさん!! 知らない人の車に乗っちゃいけないんだよ」

 「そうか・・・それじゃ これでお菓子でも買うといいい」

そういうと 僕は少年に100円を渡した

その時 再び突風が吹き
ガラガラとシャッターが落下し始める

 「危ない!!」
少年を突き倒した僕の頭にシャッターがぶつかった・・・

今度は 10個の流れ星が飛び交う・・・ 
そして暗闇が訪れた

気が付くと僕は NSXの中にいた

丸一日・・・
僕はNSXの中で 居眠りしていたようだ
スマートフォンには
NSXのバイヤーからメールが入っていた
契約不成立の通知だった

自宅に戻った僕は カノジョに連絡を入れた

NSXの助手席は 
再びカノジョの居場所になりそうな予感がした



ナミヤ雑貨店の奇蹟のような不思議な夢は
僕の悩みを 吹き飛ばしていた 
小学生の僕自身による 悩み相談によって

そういえば・・・ 
あの頃の僕は・・・ 
スーパーカー消しゴムを集めていたな・・・

なんとなく 懐かしく思った僕は
押し入れの奥に仕舞いこまれた 何十年も開けなかった小箱を取り出した

そこには 学生時代の名札や 校章 そしてスーパーカー消しゴムなどの思い出の品とともに
平成30年と刻印された 100円硬貨が入っていた





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