天使のくれた時間 ~ S2000 ~

 23,2017 23:42
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これは 一年間のうち
一緒に暮らしている彼と過ごせた日数
12日に一度の再会

出張で 日本国内を飛び回る彼・・・

織姫と牽牛に比べれば 10倍以上一緒にいられると
言い聞かせてきたけど・・・

隣のベッドを専有しているクマのぬいぐるみが
私に向かってウインクするのを見た時
私は この生活が
すでに限界を迎えていることに気付いた
 
いっそ 牽牛のように
15光年も離れていれば あきらめもつくのに・・・

手が届きそうで 届かない微妙な距離感は 
愛情と仕事が天秤にかけられているようなもの

彼が 笑顔で私の前に現れる時
こんな状況を 彼は楽しんでいるのではないか
そんなふうに思えてしまった 



このままでは 彼を憎んでしまう

だから・・・
私は 家を出た・・・

玄関を出る時
2枚の写真が私を つなぎとめようとした 

出張先から きまって 彼が送ってくるのは
国道の標識の写真

”すべての国道を制覇する”
それが 彼唯一の趣味だった・・・

そのうち 私がお気に入りの写真2枚を玄関に飾っていた
一つは 日本橋で撮った 国道1号
そこには 私と出会う前の彼が写っている

そしてもう一枚は 国道11号
この写真を 撮るために 
私は 彼と一緒に 四国まで行った

「僕達に子供が生まれたら
 国道111号の前で 写真を撮ろう!!」

彼は口癖のように言っていた

でも・・・
それは叶わない
いや・・・ 
正確には初めから叶わない目標だった

国道111号は 存在しない
国道45号になった抜け番・・・
当然彼は知っているはずなのに・・・

彼はいつもそうだ
私を 喜ばせようと思って 
できない宣言ばかりした

"今度の誕生日こそ 本場の西海岸へいこう”
そう言った年の誕生日 
北海道に出張中の彼から西海岸の写真集が届いた 

”クリスマスには 思い出のレストランでディナーだ”
その年のクリスマス 
思い出のレストランから ケーキが宅配で届いた・・・

私が欲しかったのは・・・ あなたのぬくもりだった

日本橋に立つ10年前の彼が 見送る中  
私は 扉を締めた

あれから 5年・・・
風の便りで 彼が仕事をやめて故郷に戻ったと聴いた
一方 私は 旅行雑誌のルポライターとして
日本中を旅している
あの頃の 彼のような生活をしていた 

S2000

4月なのに
夏日を記録した日曜日
東北にいた私は
都会に帰るのを 一日先送りして 
海岸線をドライブすることにした

それは・・・ 国道45号線の看板を見つけたから

太陽をいっぱい浴びたくて
私は S2000をチョイスした

柔らかい日差しに 東北らしい ひんやりした風
そして VTECのエンジン音が 何かを予感させる

太平洋がキラキラ輝く海岸線を
眺めてワインディングを楽しんでいる時・・・

私の 瞳に 衝撃が 走った

!!

そこには あるはずの無い 看板があった

国道111号・・・

S2000は 看板の向かいにある
ログハウス風のカフェの駐車場に飛び込んだ

店の中は
淹れたてのコーヒーの香りが充満しているが
マスターの姿は 
どこにも見当たらない・・・

店の奥・・・
太平洋が一望できる 
窓に近づいた

海の中・・・ 
波乗りをしている男が一人・・・

!!

彼だ・・・

海岸に出る扉には 張り紙があった

”下ノ 海二 居リマス  Hiro ”

宮沢賢治を模した 
表記に おもわず 吹き出した私は
カウンターの後ろの
壁面に 
あの懐かしい 国道1号と国道11号の写真を見つけた
そして 
2枚の写真の真ん中には
キューピー人形と一緒に写っている 国道111号の写真があった

視界が潤んできた・・・

「あぁ これが・・・
 ケイト(Téa Leoni)とジャック(Nicolas Cage)が経験した
 天使のくれた時間なんだ・・・」



私は カウンターのサイフォンから
カップにコーヒーを入れると
海の見える席に座った

美味しいコーヒーと 
素敵な曲が流れる Cafe Route111 から
私は ミルキーウェイを
渡ってくる 彼を見つめた




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