偶然の旅行者 ~ クロスポロ ~
23,2016 23:29
女は 南へ向かう
オレンジ色のクロスポロを駆って・・・
カノジョの頬の色と同じ
薄紅色のもみじの葉が舞う道の向こう側に
ぼんやりと ”あの日”が見える
「君と 僕の見ている未来は 違うようだ」
プロジェクトが成功したお祝いに カノジョが プレゼントした
シルバーの眼鏡を キラリと輝かせて彼が言った
いつの間にか
インテリ学者のようになっていた彼は
その一言だけを残して 私のライフサイクルから外れていった
引きずってなんかいない・・・
そう思うカノジョのクロスポロから流れている曲は
Sarah McLachlan - River・・・
朝食を作っていたカノジョは
キッチンから見えた あまりにも 蒼い空に引き込まれ
テーブルに並べた
色とりどりのサンドウィッチをバケットに詰め込むと
イロハカエデやオオモミジの待つ 艶やかな南の湖を目指した
男は 北へ向かっていた
真っ赤なクロスポロを駆って・・・
「私・・・退職するの
今まで しっかりサポートしてくれて ありがとう」
あこがれの先輩からの突然の一言・・・
確かに
僕の片思いさ・・・
一言も告白なんてしていない でも・・・
一緒に徹夜もしたし・・・
何度も泊りがけで 出張にも行った
僕の人生は・・・ 先輩なしでは動かない
紅茶しか飲めなかった僕が
先輩が納得するようなコーヒーを淹れられたとき
告白しようと思っていたのに・・・
Lion Cofe Hawaii の
ミディアム ダーク ローストが
ふわりと 部屋の中を漂い 外へ向かう・・・
その香りにつられて ベランダに出ると・・・
蒼い空が呼んでいた
男は コーヒーをボトルに詰めると クロスポロに乗り込んだ
カーラジオから流れるのは
Bon Jovi - Always
丹色 曙色 紅樺色・・・
様々に変化した紅色が 湖に写りこむ場所にある店の駐車場に
2台のクロスポロが並んで 停まった
男は オレンジ色のクロスポロから降りてきた
車と同色のガウチョパンツに
紺のニットを着た女性に 笑顔で言った
「調子はどお？」
「えっ・・・大丈夫です・・・」
神妙な顔のカノジョ・・・
「いや・・・こいつのことだけど・・・」
男は オレンジ色のクロスポロを指差した
「あっ・・・ そうですね・・・ はいっ 元気です！！」
上ずったカノジョの返事・・・そして沈黙・・・
Haaaaaaaaaaaaaa
Fuuuuuuuuuuuuuu
二人の ナチュラルな笑い声が 湖に流れた
「何を買うんですか？」
普段の調子を取り戻したのか
弾むような カノジョの質問に 頭を掻きながら男が答える
「実は あんまり空が綺麗だから
湖の畔でのんびりランチでもと 思って来たんだけど・・・
肝心のランチを忘れてしまって・・・」
「あら・・・
私も同じです・・・ いい天気だからピクニックでもしようと思って家を出たんですけど
バスケットにサンドイッチを詰め込むことに夢中で
飲み物を忘れてしまって・・・」
ペコリと舌を出すカノジョ
そして 二人は 同時に呟いた
「それじゃ・・・」
湖の畔・・・
色とりどりのサンドウィッチに
ミディアム ダーク ローストのコーヒーを挟んで
湖に浮かぶ紅葉を 眺める一組の男女は
メイコン・リアリー（William Hurt）と ミュリエル・プリチェット（Geena Davis）のように
明日を見ていた
遠くから二人を見つめる
オレンジ色と真っ赤なクロスポロたちは
帰りの曲を
BRUNO MARS Just the Way You Are lyricsｎ
にセットした
オレンジ色のクロスポロを駆って・・・
カノジョの頬の色と同じ
薄紅色のもみじの葉が舞う道の向こう側に
ぼんやりと ”あの日”が見える
「君と 僕の見ている未来は 違うようだ」
プロジェクトが成功したお祝いに カノジョが プレゼントした
シルバーの眼鏡を キラリと輝かせて彼が言った
いつの間にか
インテリ学者のようになっていた彼は
その一言だけを残して 私のライフサイクルから外れていった
引きずってなんかいない・・・
そう思うカノジョのクロスポロから流れている曲は
Sarah McLachlan - River・・・
朝食を作っていたカノジョは
キッチンから見えた あまりにも 蒼い空に引き込まれ
テーブルに並べた
色とりどりのサンドウィッチをバケットに詰め込むと
イロハカエデやオオモミジの待つ 艶やかな南の湖を目指した
男は 北へ向かっていた
真っ赤なクロスポロを駆って・・・
「私・・・退職するの
今まで しっかりサポートしてくれて ありがとう」
あこがれの先輩からの突然の一言・・・
確かに
僕の片思いさ・・・
一言も告白なんてしていない でも・・・
一緒に徹夜もしたし・・・
何度も泊りがけで 出張にも行った
僕の人生は・・・ 先輩なしでは動かない
紅茶しか飲めなかった僕が
先輩が納得するようなコーヒーを淹れられたとき
告白しようと思っていたのに・・・
Lion Cofe Hawaii の
ミディアム ダーク ローストが
ふわりと 部屋の中を漂い 外へ向かう・・・
その香りにつられて ベランダに出ると・・・
蒼い空が呼んでいた
男は コーヒーをボトルに詰めると クロスポロに乗り込んだ
カーラジオから流れるのは
Bon Jovi - Always
丹色 曙色 紅樺色・・・
様々に変化した紅色が 湖に写りこむ場所にある店の駐車場に
2台のクロスポロが並んで 停まった
男は オレンジ色のクロスポロから降りてきた
車と同色のガウチョパンツに
紺のニットを着た女性に 笑顔で言った
「調子はどお？」
「えっ・・・大丈夫です・・・」
神妙な顔のカノジョ・・・
「いや・・・こいつのことだけど・・・」
男は オレンジ色のクロスポロを指差した
「あっ・・・ そうですね・・・ はいっ 元気です！！」
上ずったカノジョの返事・・・そして沈黙・・・
Haaaaaaaaaaaaaa
Fuuuuuuuuuuuuuu
二人の ナチュラルな笑い声が 湖に流れた
「何を買うんですか？」
普段の調子を取り戻したのか
弾むような カノジョの質問に 頭を掻きながら男が答える
「実は あんまり空が綺麗だから
湖の畔でのんびりランチでもと 思って来たんだけど・・・
肝心のランチを忘れてしまって・・・」
「あら・・・
私も同じです・・・ いい天気だからピクニックでもしようと思って家を出たんですけど
バスケットにサンドイッチを詰め込むことに夢中で
飲み物を忘れてしまって・・・」
ペコリと舌を出すカノジョ
そして 二人は 同時に呟いた
「それじゃ・・・」
湖の畔・・・
色とりどりのサンドウィッチに
ミディアム ダーク ローストのコーヒーを挟んで
湖に浮かぶ紅葉を 眺める一組の男女は
メイコン・リアリー（William Hurt）と ミュリエル・プリチェット（Geena Davis）のように
明日を見ていた
遠くから二人を見つめる
オレンジ色と真っ赤なクロスポロたちは
帰りの曲を
BRUNO MARS Just the Way You Are lyricsｎ
にセットした
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