FC2ブログ

バードマン ~ CLS ~

 27,2015 22:24
神様は どうして こんな能力を僕に 授けたのだろう
舞台に立って 
セリフを自動的に吐きながら 
僕は想った

小さな町の 小さな芝居小屋は 
最後に登場する イケメン パントマイマー目当ての客だけで 
ギリギリの経営をしていた

僕はといえば 
万年オープニングの 一人芝居担当
仲間は 僕の芸を認めてくれるが
それは本心ではない
オープニングの かませ犬として
重宝しているだけのことだ

今日も僕を 
記憶して帰る人はいないだろう・・・

そう思いながらも 
生活のためにと 
仕方なく 
ポツリポツリと セリフを吐くしかなかった

そうそう
僕の能力とは・・・ 
人の感情が わかること 
訓練すれば 誰でもできる そんな代物ではない
僕には 目の前に立つ人の
喜怒哀楽が カラーで見えてしまうのだ

客席で僕の話を聴きながら
楽しそうに 笑顔をふるまう人たちも
その顔は 一面オールブルー・・・
演出用のブルーライトに 
照らされているかのように 
青い世界が広がる

ブルー・・・ それは 悲観的な感情・・・
つまらない・・・ 淋しい・・・ 悲しい・・・

これが 最後のパントマイムになると
一斉にオレンジ色に変化する
期待 面白い Happy・・・

自分の限界が
決定的な 視覚で表現されるのは辛い
何度も やめようと思った

しかし・・・
芝居小屋を 父親から受け継いだ
カノジョだけは 
僕のことを オレンジ色で見ていた

 「こいつは 大物だ
  いつか 化けるぞ!」
カノジョの父は そう言って 
売れない 僕を使い続けた
そして カノジョも その感覚を引き継いだ

僕がここに 残っている理由は
カノジョの存在 それだけだった

だが 今日は いつもと違っていた!
客席の中央で 僕を見つめる外国人・・・
芝居小屋の前には
似つかわしくない
CLSから降りてきた紳士

CLS

瞳の色とシンクロした 青い顔は 
完全にブルーの世界に埋もれていたが
僕の芝居を見ているうちに
眩しい オレンジに輝き始めた

 「僕の映画に出演しないか!」
彼は ハリウッドで活躍する
名うてのプロデューサーだった

 「これで 僕も有名になれる」
僕は アメリカ行きの航空券を 見せながら
カノジョに言った

 「おめでとう」
満面の笑みで喜んだカノジョ
しかし・・・
その笑顔は 
Blueに染まり始めていた

どうして・・・
君は 嬉しくないのかい・・・

彷徨うように街に出た僕は 
空を舞う男のポスターを見て 
ポツリと言った

 「リーガン(Michael Keaton)・・・君は幸せだったかい・・・
  君たちは 自由に大空を羽ばたくことができる・・・
  しかし  君も・・・バードマンも 
  そして君を取り巻く仲間たちも・・・
  みんな みんなが 青色に見える・・・」



小さな町の 小さな芝居小屋
今日もエンディングは イケメンパントマイマー
そして オープニングを飾るのは・・・ 
やはり 彼だった

しかし 以前と違うのは
オープニングを飾る一人芝居が・・・
 「皆さんご存知の
  あの ハリウッドで大人気の サイボーグの話・・・
  あれ ホントは僕が主人公 だったんですよ」

客席は 
オレンジ色の笑顔でいっぱい
ドッと笑いに包まれた

芝居小屋は
一人芝居とパントマイムの2枚看板で 繁盛していた

 「ホントのことなのにね」

芝居小屋の舞台裏で
薬指の真新しい指輪を撫でながら カノジョはポツリと言った

彼が 今も そばにいてくれることを想い
オレンジ色の笑顔は 今日も眩しく輝いていた





[CD] (オリジナル・サウンドトラック) バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡) オリジナル・サウンドトラック

価格:2,160円
(2015/4/27 22:14時点)
感想(0件)




1/43 ミニチャンプスメルセデス ベンツ CLS 赤メタ

価格:3,855円
(2015/4/27 22:16時点)
感想(0件)



スポンサーサイト



Latest Posts -

Designed by Akira.

Copyright © 映画と車が紡ぐ世界 All Rights Reserved.