地下鉄のザジ ~ カングー ~
29,2013 01:46
豊洲駅の3番ホームから
午前1時00発車の電車に乗ったカップルは 幸せになれるという
「どうしても 今日 乗りたいの」
年明け早々 北国への転勤が決まり
遠距離恋愛に不安を感じる僕とカノジョを
乗せたカングーは 豊洲駅へ向かった
Shiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiin
終電を迎え入れた地下通路は 何の物音もしない
無音の音が耳の中に響いた
「どうして まだ午前0時なのに・・・」
カノジョはザジ(Catherine Demongeot)のように泣いた
遠くから駅員が ストームトルーパーのように僕たちを睨む
僕は 慌ててカノジョの背中を押した
『Cafe des Deux movie』
Jyeeeeeeeeeeeeeeeeeeと鳴く
ネオンサインの下にある小さな木の扉へ カノジョを押し込んだ
Karan という音と共に
フワリと心地よい暖気が僕たちを包む
カウンター席が6つと テーブル席が2つの
小さな店に入ると
キューピー人形のようにつるりとした肌に
エルキュールポアロのような口髭を生やした
バーテンダーが言った
「幸せの電車ですか?」
右の口角をキュッとあげる
独特の話し方のバーテンダーに向かって 僕は頷いた
涙の止まらない カノジョに僕は言った
「都市伝説なのだから 仕方ないじゃないか・・・」
「幸せの電車はありますよ」
ジェームスボンドが こよなく愛したカクテル
ヴェスパーをカノジョに差し出しながら バーテンダーが言った
カノジョが バーテンダーを見つめたとき
いつからいたのか カウンター席に座る 山高帽の老紳士が続けて言った
「あの電車は 本物の愛を持つ人だけしか乗れません
自分の想いを 相手に押し付けてしまう
そんな関係では 本当の愛を持っているとは言えません
お互いに 相手の存在を感じなくなるほど 自然な存在になった上で
改めて その人を意識する それが 愛ですよ」
下を向いて 震えるカノジョを
僕はギュッと抱きしめた
「それじゃ 僕たちには資格があるはずだ!」
さっきまで カノジョの重たい愛情と 遠距離に
この先を見出せずにいた 僕だったが
いつの間にか カノジョへの想いは 澄み切っていた
もう 迷いはない
「そうですね それじゃあ そろそろ時間ですよ」
ニコリと笑うバーテンダーが 指をパチンと鳴らすと
そこは駐車場に止めたカングーの中だった

時計は 午前0時45分
僕は カノジョと共に 豊洲駅に向かった
駅の地下道に貼られた マンション広告には キューピーが描かれている
!!
その顔をよく見ると そこには髭がいたずら書きをされていた
眠気をこらえ切れない 駅員があくびをする中
僕たちは 午前1時の列車に乗ることができた・・・
いつもより 口数の少ない彼が 突然言った
「北国に一緒にくるかい?」
大晦日から元旦にかけての終夜運航が
伝説の電車に変わった
カノジョの想いが 本物になったその時
車内のモニターにチャップリンのマナー広告が流れた
ザジが体験したように
地下鉄にはちょっとした秘密があるようだ
カングーのキーに着けられた
ストームトルーパーがきらりと光った
午前1時00発車の電車に乗ったカップルは 幸せになれるという
「どうしても 今日 乗りたいの」
年明け早々 北国への転勤が決まり
遠距離恋愛に不安を感じる僕とカノジョを
乗せたカングーは 豊洲駅へ向かった
Shiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiin
終電を迎え入れた地下通路は 何の物音もしない
無音の音が耳の中に響いた
「どうして まだ午前0時なのに・・・」
カノジョはザジ(Catherine Demongeot)のように泣いた
遠くから駅員が ストームトルーパーのように僕たちを睨む
僕は 慌ててカノジョの背中を押した
『Cafe des Deux movie』
Jyeeeeeeeeeeeeeeeeeeと鳴く
ネオンサインの下にある小さな木の扉へ カノジョを押し込んだ
Karan という音と共に
フワリと心地よい暖気が僕たちを包む
カウンター席が6つと テーブル席が2つの
小さな店に入ると
キューピー人形のようにつるりとした肌に
エルキュールポアロのような口髭を生やした
バーテンダーが言った
「幸せの電車ですか?」
右の口角をキュッとあげる
独特の話し方のバーテンダーに向かって 僕は頷いた
涙の止まらない カノジョに僕は言った
「都市伝説なのだから 仕方ないじゃないか・・・」
「幸せの電車はありますよ」
ジェームスボンドが こよなく愛したカクテル
ヴェスパーをカノジョに差し出しながら バーテンダーが言った
カノジョが バーテンダーを見つめたとき
いつからいたのか カウンター席に座る 山高帽の老紳士が続けて言った
「あの電車は 本物の愛を持つ人だけしか乗れません
自分の想いを 相手に押し付けてしまう
そんな関係では 本当の愛を持っているとは言えません
お互いに 相手の存在を感じなくなるほど 自然な存在になった上で
改めて その人を意識する それが 愛ですよ」
下を向いて 震えるカノジョを
僕はギュッと抱きしめた
「それじゃ 僕たちには資格があるはずだ!」
さっきまで カノジョの重たい愛情と 遠距離に
この先を見出せずにいた 僕だったが
いつの間にか カノジョへの想いは 澄み切っていた
もう 迷いはない
「そうですね それじゃあ そろそろ時間ですよ」
ニコリと笑うバーテンダーが 指をパチンと鳴らすと
そこは駐車場に止めたカングーの中だった

時計は 午前0時45分
僕は カノジョと共に 豊洲駅に向かった
駅の地下道に貼られた マンション広告には キューピーが描かれている
!!
その顔をよく見ると そこには髭がいたずら書きをされていた
眠気をこらえ切れない 駅員があくびをする中
僕たちは 午前1時の列車に乗ることができた・・・
いつもより 口数の少ない彼が 突然言った
「北国に一緒にくるかい?」
大晦日から元旦にかけての終夜運航が
伝説の電車に変わった
カノジョの想いが 本物になったその時
車内のモニターにチャップリンのマナー広告が流れた
ザジが体験したように
地下鉄にはちょっとした秘密があるようだ
カングーのキーに着けられた
ストームトルーパーがきらりと光った
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