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地上の星屑 ~ SAI ~ 大空港 ~

 24,2013 22:53
羽田空港第一ターミナルの駐車場に SAIが滑り込んだ時
時計の針は 待ち合わせの時間より 15度手前を指していた

 「何とか間に合いそうだ」
紺のショートダッフルに腕を通しながら運転席のドアを開ける僕に
 「一人で大丈夫かい・・・」
SAIが言った
キリッと精悍になったフロントフェイスに 相応しくない応援に 
ハイブリットの優しさを感じた

SAI

僕は 両手の人差し指をを スッとSAIに向ける
学生時代 キャッチャーだった僕が
マウンドで震えるピッチャーに使った おまじないだ

 「魔法にかかりたいのは 僕のほうだよ・・・」
僕のハート2AZ-FXEは オーバーヒート寸前だ・・・

4つ年上のカノジョは 会社の先輩
淡いピンクのルージュが コケティッシュな雰囲気を醸し出すが
営業マンとしては 会社トップの成績を誇る
そんなカノジョに 無謀にもプロポーズした僕は
カノジョがすでに結婚していることを後から知った

プロポーズの時 カノジョは にこりと笑って 僕の額をツンと押した
それが何を意味するのか 分らなかったが
その日以来 僕はカノジョのパートナーに選ばれた
営業廻りはもちろん 食事から接待 地方出張まで いつも一緒に行動し
仕事のイロハから 酒の肴の薀蓄まで教わった
 「学んだことは すぐにノートにつけること!」
これがカノジョの口癖だったが
カノジョの言葉を 僕が忘れるわけがなかった

いつしか僕は 本当にカノジョと結婚生活を送っているような感覚になっていた

そんな生活が いつまでも続くと感じ始めたころ
成績良好の僕に転勤の話がきた
関西への転勤 それは 我が社の有望なラインを指していた
喜ばしいことだったが それは僕とカノジョの 
小さな恋の終わりを示していた

そして 今日
僕は カノジョに呼び出され 羽田第一ターミナルに来ている
しかし 曇天のビックバード屋上には 誰もいなかった

飛行機が 次々と滑走路に舞い降りる
その後ろの空には まだ無数の光点が続いている
それは 遠い昔 母親に連れられていった村祭りの提灯を思い出させた

飛行機の明かりを眺めながら 僕は只管カノジョを待った
時計の長針が 一周したとき 僕は・・・ 想った
時間に正確なカノジョが 待合わせ場所に遅れたことは 一度もなかった
カノジョは 僕と別れるつもりなのだろう・・・

ロングヘアーのふわりとした流線が黒いロングコートへ続いている 
その中で 今日もピンクのルージュがつややかに輝く
カノジョは 彼の視線に入らない場所に佇んでいた
 「もし 彼が私を見つけてくれたら・・・」

カノジョの結婚生活は 遥か昔に破たんしていた
しかし 社会人としての地位を守るため
会社では 妻であることを演じ続けてきた 
苦しかった・・・
そんな時 一人の青年から告白を受けた
何年も昔に 無くしていた 熱い感情が蘇り
カノジョは彼に恋をした

ただ 一時の感情に溺れた悲劇の経験が カノジョを臆病にさせた
上司と部下というレールの上で 
微妙に揺れ動く恋愛ゲームが とっても心地よかった
こんな生活が いつまで続くとは思わなかったが
突然の終了宣言にカノジョは困惑した・・・



ラブストーリーは 突然に・・・
小田和正の歌声が 頭をよぎったとき カノジョのゲームは本物になった
 ”君と初めて 手を握った場所・・・ビックバードのテラスに来て・・・”
カノジョは 彼にメールを入れた

そして彼は 思い出の この場所に現れた
うれしい・・・ でも・・・ 足が前に出ない・・・

やがて 彼は時計を見ると あきらめたように 屋上を後にした

 「やっぱり だめね・・・」
カノジョは 小さな額をコトンと下げた
 「もう少しだけ ここに居よう どうせ私は 一人ぼっちなのだから・・・」
滑走路にできた 地上の宇宙空間・・・ランプの星屑を見ていると
カノジョは 昔見た”大空港”を思い出した



 「あの時 メル(Burt Lancaster)は 冷え切った夫婦関係と 
 同僚のターニャ(Jean Seberg)とのホットな関係の どちらを選ぶか 悩んでいた・・・
 今の私にそっくり・・・
 でも 結末は違うみたい・・・」

時計が22時を廻り デッキの終了時間がやってきた・・・
カノジョは 飛行機と星屑たちに手を振ると 階段を降り始めた 

 !!

階下から勢いよく駆け上がってくる人がいる・・・彼だった!

 「Haa  Haa Haa やっと会えた・・・やっぱり こっちで良かったのか・・・」
どうやら彼は 第二ターミナルに行ってきたようだ

隠れていた私が悪いのに
 「だから いつも予定はノートに書くように言ってるの!」
少しだけ頬をふくらまして私は言った

 「ノートには書いてあったよ・・・  
  ただ 目にゴミが入ったのかな・・・ⅠがⅡに見えたんだよ・・・」
彼の瞳は潤んでいた・・・

・・・SAI・・・やっぱり 一人じゃだめだ 僕は泣き虫なんだ・・・
そう思ったとき カノジョは優しく僕を抱きしめた

 「見つけてくれてありがとう 信じてたよ・・・」
カノジョの目に涙を見た 

ボーイング707が初飛行した日 
僕らを祝福するかのように 777が大空に飛び立った

※映画「大空港」に登場するボーイング707は 
1958年10月26日にパンアメリカン航空により初飛行しました





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