40年ぶりの大雪警報は僕にとって 厄介な悪魔の警報だったが目の前で雪遊びを始めた小学生たちにとっては全世界が遊園地に変わるオープニングコールだったようだスリップの危険を感じて ウラカンを公園に隣接する路肩に避難させた僕は 微笑ましい彼らの姿を見ながら 自分も童心に帰っていくのを感じた楽しい思い出が蘇ってくる そんなはずだったが・・・少しづつ夜になりかけた 薄暗い公園で雪遊びをしている十数名の子供たち...
勇気を出して カノジョに告白しようそう思いながら 3年がたった今日 カノジョは東京の大学に進学するためこの街を出ていく今日しかない・・・この街で 父の自動車整備工場を継ぐ僕にはラストチャンス列車が発車する2時間前には 駅でカノジョを待とうと思っていたところが・・・突然父が部屋にやってきて・・・ 「急きょ 磨かなきゃいけない車が入った 手伝ってくれ!」父からの 相変わらずの無茶ぶり・・・今日だけは...
隣席の若者たちは開放的な夏の陽気に煽られたのか かなり声量が大きい 「うるさいねぇ お店では静かにしなくちゃ」中学生の息子Kenが言うと 「しっ! あんな人たちに絡まれたくないわ」家内が慌ててKenの口をおさえた 「僕らには 色々言うくせに ああいう人には何も言えないのかねぇ」高校生の息子Junが 僕を見ながら 冷たく言い捨てたおいおい 俺は仮にも父親だぞ そう思いながらも何も言えない僕は 聴こえないふり...